「海ごはん、墓ごはん。楽しいな」
コンロで沸かしたお湯にまずはフリーズ「鮭の切り身」を投入。5、6分でカチコチだった切り身が焼きたてのように変身するらしい。
「面倒くさいから親子丼も入れちゃいましょう」
「そうですね、鮭だって混ぜちゃえば親子みたいなもんですから」
良く分らない理屈に一同納得。解凍中の鮭に親子丼の素を流し込む。
ぐつぐつぐつぐつ(鮭と親子丼)。
しとしとしとしと(降りしきる雨)。
待つ事6分。鮭の切り身入り親子丼が出来上がった。
「ちょっと味見を」
林さんがオタマで親子丼をすくい、味を見る。
その模様を撮影していたデジカメの画像を確認すると、林さんの周りに霊気の様なものが漂っている。
「林さんの周りに……」
「えっ?何ですか?」
「いや、何でもないです」
「何ですか!!見せて下さいよ」
林さんが気にするといけないので画像は見せないで鮭の切り身入り親子丼に話しを戻す。
「それ、おいしいですか?」
「ええ、おいしいですけど、鮭の生臭さがすこし目立ちますね」
霊気の件を忘れた林さんは親子丼を批評する。
みんなで少しづつ試食。確かに生臭い。
林さんの写真に写っていた霊気が関係しているかと思ったが、口にはしなかった。
楽しいお花見の為のポイントその8「霊気を感じても決して口に出さずに」。
親子丼の次はフリーズカレーライスを解凍。
さっきは変に混ぜてしまったので、今回は純粋にカレーライスだけを投入。
カレーライスが焦げ付かないように、荻原隊員がオタマで鍋をゆっくりとかき混ぜる。
「これ、おいしい」
「カレーヌードルの汁にご飯を混ぜた感じ?」
「ああ、確かに。それでもおいしい」
「やっぱりカレー味は約束されたものがありますね」
楽しいお花見の為のポイントその9「カレー味は約束されている」。
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