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コネタ


コネタ1061

 
今度はファーストフードのフライドチキンを徹底調査だ!!
「ときどき無性に食べたくなる」とはよくいったもんだ。
(写真はファーストキッチンのフライドチキン)

以前『ファーストフードのポテト、チェーン別徹底比較』という記事を書いたところ、友人Aから
「俺もファーストフードよく使うから参考になったよ。でも、ポテトだけじゃなくてほかのメニューも全部やってたらすごかったのにね」
と言われてしまった。無茶なこというなよ、とも思ったが、今日は友人のために彼が大好きなチキンを比較してみることにします。

トリノオリンピックではコンマ何秒を争う競技や、何百グラムかの体重制限が話題になっていたが、僕らの自宅の半径100m以内でもコンマ何秒の戦いや、何グラムかの闘いは存在するのです。注目されていないだけで。

梅田カズヒコ

チキンの比較方法

・各ファーストフードチェーン店に実際に行って調査。
・ここでいうフライドチキンとは骨がついている状態のチキンを指す。
(→チキンナゲットなどは含まない)

比較項目は8点

・オーダー時間(注文から「お待たせしました」までの時間)
・温度(提供後2分以内に測定)
・全長
・厚み
・重量
・可食部重量 (重量−骨の重量)
・値段(安いほうが上位)
・¥/g(可食部1グラムあたりの値段)(安いほうが上位)

ポテトの回とほぼ同じだが、可食部(骨以外の重量)という言葉がでてくるのが特徴ですな。

今回はフライドチキンを販売する大手ファーストフードチェーン5社に行ってきました。(マクドナルド等はフライドチキンを販売していないため、今回は棄権扱いです)

・ロッテリア
・モスバーガー
・ケンタッキー
・ファーストキッチン
・フレッシュネスバーガー

見ず知らずの土地に行ったとき、よく知っているファーストフードの名前をみかけるとどうしてあんなに安心するんでしょうか? そんな無類のファーストフード好きの僕が愛を持って比較させていただきます。


No.1 ロッテリア
〜元祖エビバーガー〜

ひとくちメモ:客層は他のファーストフードに比べやや若め。だからかもしれないけど、なんだか元気なイメージ。現在はディップポテトが新商品なのだ。


ロッテリアの商品名は「やわらかチキン」。文字通りやわらかでジューシー。

ロッテリアのチキンは純日本的な味付け

ロッテリアのフライドチキンは「やわらかチキン」という名前です。その名の通りやわらかくてジューシー。そしてロッテリアのチキンは醤油味で、なんというか基本に忠実な純日本的な味付けでした。よけいな遊びをしないぶん好感がもてます。

記録のほうはというと、190円という値段がリーズナブルで1位。あとは平均的な記録になりました。オーダータイムの2分強はスピードが売りのロッテリアにとっては珍しい結果。店内で食べていくと伝えたのだが店員さんがテイクアウトだと勘違いしたのが原因。次回に期待したい。しかし金メダルが一個って記録的にも日本的ですなー(時事ネタっぽいことをいれてみた)


91グラム。うち、可食部は75グラム。まずまず。

やわらかチキン(ロッテリア)

オーダータイム:2分3秒2 (3位)
温度:59.5℃  (3位)
全長:12.7cm (2位)
厚み:4.0cm  (2位)
重さ:91g   (4位)
可食部:75g  (4位)
値段:190円  (1位
¥/g:約2.53円  (4位)

 


No.2 モスバーガー
〜ライスバーガーは日本人の心〜

ひとくちメモ:最近、汐留に「復刻版モスバーガー」といってモスバーガー創業時の店舗を再現したお店ができたらしい。モスファンならぜひ一度は足を運んでみたいところだ。


モスチキンは色合いが独特だ。でもうまい。

モスチキンの魅力が分かったぞ

個人的にはこの中で一番なじみ深いチキンだ。「モスチキン」が好きだと人に話すと「どこが好きなの? ほかのチキンとどう違うの?」と聞かれて答えに窮していたけど、今日食べ比べてみて分かった。モスチキンは食感が良いのだ。サクサクしている。水っぽさがまったくない。

記録のほうはというと、オーダータイムが遅く、温度が熱いという結果になった。以前、ポテトで検証した際にオーダーに時間がかかるほど温度が高くなる傾向があるといっていたしたのですが、同じことがチキンにも言えるようです。

それからモスチキンは薄かった。携帯電話ぐらいの薄さだな、と思って横向きにした携帯電話と一緒に撮ったら比喩ではなく本当に携帯ぐらい薄かった。


モスチキンはなんだか携帯並にうすかった。早く揚がるようにという気持ちの表れかもしれない。

モスチキン(モスバーガー)

オーダータイム:6分56秒94 (5位
温度:78℃  (2位)
全長:13.0cm (1位
厚み:2.5cm  (4位)
重さ:92g   (3位)
可食部:87g  (2位)
値段:220円  (4位)
¥/g:約2.53円  (3位)


No.3 ファーストキッチン
〜スパゲッティもパスタもピザもなにげに置いてるんだぜ〜

ひとくちメモ:現在のファーストキッチンのオレンジ色のロゴには「シティコンビニエンスレストラン」と記載されているよ。今度ファーストキッチンに行ったら確認してみよう!


今回一番スピーディーだったファーストキッチン。記録は33秒。

今回もっとも俊敏だったよ

今回おじゃまさせていただいたファーストフードの中で、もっとも早くチキンを提供してくれたのがファーストキッチン。ポテトと比べやや手間のかかりそうな商品なので33秒という記録は立派だろう。ファーストフードの“ファースト”とは「早い」という意味だから今回、本来の意味でファーストフード王はファーストキッチンだけだ。

ところで僕の地元(大阪)ではファーストキッチンのことを略して『ファッキン』と呼んでいたのですが、あまりにもな略し方だなーと思っておりました。
皆さまの地元ではなんて呼ばれていましたか? ファッキンって呼ぶの大阪だけなんですかね?


骨は13グラム。毎回ちゃんと食べて量ってますよ

フライドチキン(ファーストキッチン)

オーダータイム:33秒11 (1位
温度:57.5℃  (4位)
全長:11.8cm (3位)
厚み:2.5cm  (4位)
重さ:95g   (2位)
可食部:81g  (3位)
値段:200円  (2位)
¥/g:約2.47円  (2位)


No.4 フレッシュネスバーガー
チャイも置いてるよ〜

ひとくちメモ:比較的落ち着いた雰囲気で大人でも利用しやすい。飲み物に顕著だが、スパイス・フレーバーを効かしたメニューが得意。


フレッシュネスのチキンは色が濃いです。

相変わらずできたてのフレッシュネス

こちらはポテトのときと同様に温度が81℃でトップ。何かと言えばホットなフレッシュネスだ。

しかし、重量など数字の上では今回数字が伸び悩んだフレッシュネス。でも、フォローでもなんでもなくて、中の肉は一番うまかったと思います。

繁華街のフレッシュネスバーガーで温度計や量りなどを取り出しながら数値を量っていると、言い争っていたカップルがけんかをやめてこちらをちらちらのぞいては「何してるんだろう?」 「何のために?」とか言い合ってました。ひょっとすると僕は気づかぬうちにあるカップルの縁を取り持ったのかもしれません。


相変わらずできたてほやほやです。熱い。

グリルドチキン(フレッシュネスバーガー)

オーダータイム:4分33秒53 (4位)
温度:81℃  (1位
全長:11.8cm (5位
厚み:3.2cm  (3位)
重さ:74g   (5位
可食部:62g  (5位
値段:230円  (5位
¥/g:約3.71円  (5位

 

No.5 ケンタッキー
〜フライドチキン界の真打ち登場〜

ひとくちメモ:他のファーストフードがハンバーガーをメインの商品として取り扱っているが、ここはあくまでフライドチキンがメイン。好成績が期待できそうです。


ケンタッキーはとにかくでかい。余裕の143グラム。

余裕のカーネルサンダース

他のファーストフードがサイドメニューという扱いでフライドチキンを販売しているのでそれなりのサイズであるのに対し、こちらはチキンがメインメニューなのでかなりのボリュームだ。当然、横綱相撲といった雰囲気で4部門で1位をとって圧勝でした。というか他のファーストフードと同等に扱ったのが申し訳ないとすら思ってきました。

味付けの特長は、やはり塩コショウによるシンプルな味付けに尽きると思います。やっぱケンタのチキンはときどき無性に食べたくなるよね。毎日食べたらきっと太るんだろうけど。

子どもの頃、『1ピース、2ピース……』というチキンの数え方がなんだか軽くカルチャーショックでした。今でいうスターバックスのネーミングのようなものですかね。


肉厚のチキンがたっぷり堪能できる。

オリジナルチキン(ケンタッキー)

オーダータイム:41秒37 (2位)
温度:52℃  (5位
全長:10.4cm (4位)
厚み:4.3cm  (1位
重さ:143g   (1位
可食部:121g  (1位
値段:210円  (3位)
¥/g:約1.74円  (1位

 


おまけ


ファーストキッチン
ロッテリア
フレッシュネス
ケンタッキー
モスバーガー
#C45A30
#AC733E
#6C1D19
#CF8A45
#CE9158

林さんが以前紅ショウガを比べるときにHTMLでの色指定を使っていたが、僕もマネしてチキンの色を色指定で再現してみました。

こうやって色を取り出すと、それぞれのチキンの色味がけっこう個性に富んでいるのが分かりますね。

チキンにぶすっと温度計を指しながら、自分でも『なぜここまで温度とか重量とかにこだわっているんだろう』と自分の執着心を整理できずにいました。

※今回の測量もあくまで参考データです。

例えば、僕が行ったこともない遠くの街にとてもおいしいグルメ料理があるらしい。という情報も気になるが、それよりごくごく身近な領域、つまり今回のようにどこどこのファーストフードのチキンは、他のチキンより量が多いぞ、とかそういう情報のほうが僕は気になってしまうたちなのだ(単なる貧乏性なのかもれないけど)。
共感してくれる人がある程度居てくれればうれしいんですが、どうなんでしょうか。


 

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