チャイってなんですか? 〜試験に出ないチャイ講座〜
チャイとは簡単に言ってしまえばインド式のミルクティ。インドでは日本で言うコーヒーや緑茶のようにメジャーな飲み物で、紅茶とミルクとシナモン等の香辛料を煮出して飲むものである。
ミルクが多くてやや甘いが、煮出しているので紅茶や香辛料の成分が濃厚に溶け出し、普通の紅茶に比べ味に独特のコクがあるのが特長だ。
実はチャイの誕生には複雑な事情がある。
植民地時代のインドは紅茶を生産していたが、立派な紅茶葉はすべてイギリスに持って行かれてしまっていた。インドの庶民に残るのは商品にならないダストティーと呼ばれる埃のように細かい紅茶の葉だけ。そこで、インド人はこの捨てるしかないと言われたダストティをどうにかおいしく飲む方法はないかと考えた。
その結果紅茶葉をミルクと一緒に煮出し香辛料を加える方法が考えられ、チャイが誕生するのだ。
またチャイの具体的な調理方法や香辛料も地域や個人によってまちまちだ。そのため本場でも特に「これぞ正式なチャイ」というチャイは存在せず、各家庭でオリジナルの調理法、スパイスによるチャイが生み出されている。
このあたりの「好きにやればええやん、何でもええやん」精神が、お好み焼き(具材は何を入れても構わない)やホルモン料理(元来は捨てる部分を調理したもの)等がもてはやされている大阪にしっくり来たのかどうかは分からないが、なぜか大阪は「日本のチャイのふるさと」と言われるほど局地的にチャイが根付いてしまったわけだ。 |