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コネタ


コネタ871

 
ファーストフードのポテト、チェーン店別徹底比較
みんな大好きポテト

「フライドポテトはファーストフードの基本なんだ。ファーストフードはポテトに始まりポテトに終わる」

とは僕がファーストフードでバイトをしていた頃の先輩の名言である。
今日のコネタはそんな先輩に捧ぎます。

ファーストフード、チェーン店別フライドポテト徹底比較! 
どこのファーストフードに行っても皆同じに見えるポテトの、わずかな違いをクローズアップします。

これでもう、どっちのファーストフードにしようか迷わないで済む、はず。

梅田カズヒコ

比較方法

各ファーストフードチェーン店に行く。
基本的にMサイズをオーダー。Mサイズがなければそれに相当するサイズをオーダー。せっかくなら味やネタの新鮮度なども比較項目に入れたいが、自分の主観に頼る事になるのでやめておく。基本的に数値化できるもので比較し、各項目の順位を決定する。

比較項目は8点

・オーダー時間(注文から「お待たせしました」までの時間)
・温度(提供後2分以内に測定)
・本数
・長さ/最長(一番長いもの)
・長さ/平均(目測で平均的な長さのものを取り出し、測定)
・重量
・値段(安いほうが上位)
・¥/g(1グラムあたりの値段)(安いほうが上位)

 

調べたのはおなじみのファーストフード8社。

・マクドナルド
・ロッテリア
・モスバーガー
・ケンタッキー
・ファーストキッチン
・ウェンディーズ
・サブウェイ
・フレッシュネスバーガー

無類のファーストフード好きの僕がいつもお世話になっているメーカーばかりです。

それでは会社別に見ていきましょう。いよいよ禁断の数字が公開されます。けっこう各社の特長でましたよ。

エントリーNo.1 マクドナルド
 〜ファーストフードの代名詞的存在。〜


経営:マクドナルドホールディングス
一号店オープン:1971年
本社:東京都新宿区
資本金:241億(2005)
店舗数(国内):3774軒(2004)
※資本金、店舗数データはオフィシャルサイト等参考、以下同様。
イメージカラー:×
その他:店舗数、資本金とも8社中堂々の1位。お誕生日パーティーはマックで!

マクドナルドのポテトはやや短めのものが多いため、本数は91本で8社中トップ。

マクドナルドは、小ぶりで本数が多いぞ!

僕が行った店舗は混雑緩和のためスターバックスのようにレジと商品受け渡し口が別の場所にあった。そのため店員さんはかなり俊敏な動きをしていたがオーダタイムは28秒28と伸びなかった。次回に期待したい。

小ぶりのポテトが多数を占め、本数は91本でトップだった。おそらく一番食べるのに時間がかかるのはマクドナルドのポテトじゃないだろうか。ちびちび味わって食べていきたい。

その他の記録は以下の通りでした。温度が3位と大健闘。さすが王者といったところか。


全体的に短いものが多く、平均サイズは6cmだった。また、厚さはやや薄め。

マックフライポテト(M)/マクドナルド

オーダータイム:28秒28 (4位)
温度:60℃  (3位)
本数:91本  (1位
長さ/最長:13.7cm  (3位)
長さ/平均:6.0cm   (8位
重さ:121g   (4位)
値段:200円  (5位)
¥/g:約1.65円  (3位)

 

エントリーNo.2 ロッテリア
 〜おめでとう千葉ロッテマリーンズ!!〜


経営:ロッテリア(ロッテ系列)
一号店オープン:1972年
本社:東京都新宿区
資本金:49億(2005)
店舗数(国内):602軒(2005)
イメージカラー:×
その他:マクドナルドと並んで古株のファーストフード。現在ロッテマリーンズの優勝で各店舗盛り上がっている。

「お待たせしました」まで16秒。早い。

ロッテリアは、とにかく早いぞ!

ちょうどロッテの優勝記念セールで店は大変混雑していた。店員さんはあわただしく動いている。ポテトを頼んでから受け渡しまでは16秒。早い! これを読んでいる外国人の皆さま、せっかちな日本では16秒でポテトが出てくるんです。やっぱりファーストフードってすごいですね。

記録は下の表の通り。記録は全体的に3位〜6位あたりが多く、8社の中では平均的なポテトと言えるのではないだろうか。

ポテト(M)を230円で買ったら、店員さんに、あと45円足せばエビバーガーセットに出来ると言われ結局エビバーガーセットをオーダーした。
野球はあまり見ないほうだが、毎年ロッテリアが安くなるんだったらロッテを応援したい気分にもなってきた。


これで275円。安い。ポテト単品だと230円。

フレンチフライポテト(M)/ロッテリア

オーダータイム:16秒21 (2位)
温度:48℃  (5位)
本数:71本  (3位)
長さ/最長:11.5cm  (5位)
長さ/平均:6.3cm  (7位)
重さ:111g   (6位)
値段:230円  (6位)
¥/g:約2.07円  (8位

 

エントリーNo.3 モスバーガー
 〜スローフード時代にもめげない素材主義のファーストフード〜


経営:モスフードサービス
一号店オープン:1972年
本社:東京都新宿区
資本金:114億(2005)
店舗数(国内):1461軒(2005)
イメージカラー:×
その他:店舗数は8社中2位と日本発のファーストフードチェーンの中ではトップ。現在、看板の色が赤から緑に変わりつつある。

提供速度は遅かったが、むしろ時代の流れには早く乗っているのかもしれない。

モスバーガーは、ファーストフード界のスローフードかもしれない。

モスバーガーにはポテトMサイズがないので(S,Lのみ)Sサイズをオーダー。全体の重量が7位と成績が低いが、Sサイズなんだから仕方ない。

オーダーが通ってからポテトを揚げ、結局客席に店員さんがポテトを運んでくれるまで5分51秒かかりました。じっくり作るのがモス流。提供時間は遅いが、その分温度は73℃と好成績だ。

また、ポテト一本一本のサイズが比較的そろっているので、長さの平均値が7.8cmで2位だった。モスのポテトは、大きさが揃っていると言えるのではないでしょうか。

ちなみに僕はモスに行ったらいつもポテトとオニオンリングが入っているオニポテを頼みます。オニポテがあるのはモスだけ!


温度は73℃。ほくほく揚げたての味がしました。

フレンチフライポテト(S)/モスバーガー

オーダータイム:5分51秒21 (8位
温度:73℃  (2位)
本数:17本  (6位)
長さ/最長:11cm  (6位)
長さ/平均:7.8cm  (2位)
重さ:84g   (7位)
値段:170円  (3位)
¥/g:約2.02円  (7位)

 

エントリーNo.4 ケンタッキー
 〜キャラ萌え度はナンバーワン? 愛しのカーネルサンダース〜


経営:日本ケンタッキー・フライド・チキン
一号店オープン:1970年
本社:東京都渋谷区
資本金:72億(2005)
店舗数(国内):1163軒(2004)
イメージカラー:×
その他:一号店オープンは’70年で実は日本一歴史のあるファーストフードなのだ。日本のクリスマスはKFCのチキンと山下達郎で決まり!

ついに出た、驚異の記録14秒91!

オーダー最高記録、14秒91、他さまざまな記録更新!

ついに出た、オーダー14秒91。今回もっとも早く注文の品が出てきたのはケンタッキーである。

長さの平均値も9.5cmでナンバーワン。ケンタッキーのポテトは長くて太い。

ちなみにケンタッキーもモスと同じくMサイズのポテトがないのでSサイズをオーダーした。よって重さ82グラムの8位は順当なところ。

表を見るとケンタッキーは1位と8位が目立つ。他に比べ個性的なポテトだという事だろうか?


重さ82グラム。ポテトが大好きな人はKFCではLサイズをオーダーしよう。

フライドポテト(S)/ケンタッキー

オーダータイム:14秒91 (1位
温度:43℃  (8位
本数:12本  (7位)
長さ/最長:13.5cm  (4位)
長さ/平均:9.5cm  (1位
重さ:82g   (8位
値段:147円  (1位
¥/g:約1.79円  (6位)

 

エントリーNo.5 ファーストキッチン
 〜深夜も開いてるファーストフードといえばここでしょう!〜


経営:ファーストキッチン(サントリー系列)
一号店オープン:1977年
本社:東京都新宿区
資本金:1億(2005)
店舗数(国内):118軒 (※ホームページで数えました)
イメージカラー:×
その他:他にはないメニュー、ピザやスパゲティも置いている。都市部の繁華街に多く、終夜営業を行っている店舗が多い。近年ロゴを赤地からオレンジ色に変更する予定。

重さ142グラムでトップ。

重さ142グラム。もっとも量の多いポテト。

店長らしき人が接客態度について店員さんに注意していたおかげでポテトが出てくるのが少し遅くなって6位だった。しかしそれでも1分かかっていない。日本のファーストフードはレベルが高い。

特筆すべきは重さで、142グラムで1位。さらに本数、長さ(最長)、長さ(平均)でも2位と大健闘した。確かに僕もいつも食べているがファーストキッチンのポテトは量が多い気がする。

ファーストキッチンのポテトの特長は量もさる事ながらさまざまなソースがかけ放題という点だろう。250円払っても安いぐらいだ。


本数は87本で2位。そのうえソースもかけ放題!

フライドポテト(M)/ファーストキッチン

オーダータイム:49秒07 (6位)
温度:46℃  (7位)
本数:87本  (2位)
長さ/最長:14.3cm  (2位)
長さ/平均:7.8cm  (2位)
重さ:142g   (1位
値段:250円  (7位)
¥/g:約1.76円  (4位)

 

エントリーNo.6 ウェンディーズ
 〜世界で愛されるハンバーガー。マスコットキャラはウェンディちゃん〜


経営:日本ウェンディーズ(ダイエー系列)
一号店オープン:1980年
本社:東京都港区
資本金:8億(2005)
店舗数(国内):90軒(2005)
イメージカラー:×
その他:名前の由来は創業者の愛娘の名前がウェンディちゃんだった事から。ハンバーガー・レストランと名乗るだけあって味は本格派。しかも実は意外とリーズナブル。

温度もそこそこ高い。

すべての項目で4位以上。優等生なポテト

ウェンディーズのポテトの特長を一言で表すなら、優等生。すべての項目で4位以上でAクラス入りを果たしている。オーダータイムは16秒でトップと2秒差という記録を作っておきながら温度も51℃で4位と善戦した。
今回の検証で早さと温度の両立は難しいとされていたのにウェンディーズは見事そのジンクスを崩した。

また長さ14.4cmものポテトを発見。今回一番長いポテトだった。値段も190円で4位、1グラムあたりの値段1.35円で2位とリーズナブルな数字です。


一本一本のポテトも長いし、重量もそこそこある。

フレンチフライ(M)/ウェンディーズ

オーダータイム:16秒51 (3位)
温度:51℃  (4位)
本数:58本  (4位)
長さ/最長:14.4cm  (1位
長さ/平均:7.5cm  (4位)
重さ:141g   (2位)
値段:190円  (4位)
¥/g:約1.35円  (2位)

 

エントリーNo.7 サブウェイ
 〜ローカロリー。ファーストフードの少ないハイソな街、代官山にある唯一のファーストフードと言えば〜


経営:日本サブウェイ(サントリー系列)
一号店オープン:1992年
本社:東京都港区
資本金:1億
店舗数(国内):100軒(2005)
イメージカラー:×
その他:日本でこそ発展途上だが、世界的には2万店舗以上を抱える巨大チェーン。栄養バランスもよく、ベジタリアンも安心して食べられるファーストフード。

袋には『カロリー50%オフ』の文字。

ヘルシー度ではナンバーワン、オーブン焼きポテト。

サブウェイはサンドイッチ屋だ。だから他のチェーンと違いポテトはあくまでサブ的な要素。
なのでポテトのみで争わすのは少しかわいそうなのだが、あえてポテトのみで語らせていただく。

サブウェイのポテトはオーブンで焼いてある。だから、他のポテトに比べ油分が少ない。おそらく一番ヘルシーなポテトだろう。

しかし今回の数値データとしては少し渋い結果に終わってしまった。

ちなみに僕はサブウェイでポテトを頼むときは同じ値段でバジル味のポテトをオーダーする。
これがさっぱりしておいしいのです。試してない人はお試しあれ。


形状は三日月形。芸術点は高い。

ポテト・レギュラー(M)/サブウェイ

オーダータイム:28秒37 (5位)
温度:48℃  (5位)
本数:18本  (5位)
長さ/最長:9.7cm  (7位)
長さ/平均:7.0cm  (5位)
重さ:140g   (3位)
値段:250円  (7位)
¥/g:約1.79円  (5位)

 

エントリーNo.8 フレッシュネスバーガー
 〜今、もっとも勢いのあるファーストフードチェーン。店舗拡大中、このまま大手を蹴散らせるのか!?〜


経営:フレッシュネス
一号店オープン:1992年
本社:東京都港区
資本金:3億
店舗数(国内):163軒(2005) (※ホームページで数えました。)
イメージカラー:×
その他:フレッシュという合い言葉に、他のファーストフードチェーンより少し高級感を演出。それが当たって現在店舗拡大中。日本生まれの同チェーンは韓流ブームに乗って韓国にもオープン。本社はあの六本木ヒルズ。

今回の最高温度の77℃。熱い!

『フレッシュネス』の看板に偽りなし。

フレッシュネスの名前に偽りなし。できたてほやほやを運んでくれたポテトは77℃。アツアツポテトでダントツのトップ。時間がかかってもできたてのほうがやっぱりうれしい。

また、何も言ってないのにこの店だけが唯一ポテト単品を頼んだらお水をくれました。

さらに、割高感のあるフレッシュネスなのにポテト1グラムあたりの値段は実は一番安い(レギュラーサイズの場合)。人とポテトは見かけによらない。そんな事を教えてくれた今回の検証だ。


お水をくれたぜ、イェイ!

フライドポテト(R)レギュラー/フレッシュネスバーガー

オーダータイム:4分24秒69 (7位)
温度:77℃  (1位
本数:11本  (8位
長さ/最長:8.3cm  (8位
長さ/平均:6.5cm  (6位)
重さ:119g   (5位)
値段:160円  (2位)
¥/g:約1.34円  (1位

おいしそうなポテト、何度も計量中にぱくりと食べそうになってしまいました。

※今回の測量はあくまで参考データです。

最初に断っておかないといけないのは、今回たまたまある日に僕が行ったお店がこういう結果に表れただけだ。オーダーの時間がいつも一緒なわけではないだろうし、重さや長さや本数だって毎回微妙に違うだろう。だから、この結果がすべてじゃない。本当なら何回か足を運んで平均値を出した方がよかったのかもしれないが、そこまでする時間的余裕がなかった。

僕は無類のファーストフード好きだ。上に登場したファーストフードはどれもよく行くし、もちろんどこのポテトも全部大好きだ。それぞれ違う魅力があって、気分によって食べるファーストフードを変えている。その、それぞれ違う魅力の微妙な差異をうまく知らせたいという一心で今回の企画を思い立った。だから、ファーストフード業界関係者の皆さま、もし見ていたとしても軽い冗談だと笑ってもらえると本当にうれしい。

人生でポテトをはじめて食べた時に感じた興奮が忘れられません。それ以来、ずっとファーストフードに恋をしている。


 

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