五目焼きそばならぬ、五百目焼きそばを作る。今回はそんな無謀とも思える挑戦をし、そして成功させた。
そもそもなぜそんなに具を増やそうとしたのか(五目で十分おいしいのに)。わけは電子書籍にある。
今回コラボのお相手である電子書籍のパピレスがなんと3/2〜3/3にかけて500冊のマンガを無料公開するというのだ。
500冊! ……すごいとは思うが、いまひとつその数字が実感として沸かないのではないか。そんな「500」のすごさを体感すべく始動したのが、この五百目焼きそばプロジェクトというわけである。
500ってすごい数ですよ。
世界初、500の具を入れた焼きそば作り
五目焼きそばというと、だいたい具はエビ、豚肉、にんじん、白菜、きくらげ……といったあたりだろうか。
当サイトでも以前この「五目」の実態を調べていた。店で出されるものだと具は5種を超えることも多いようだ。
しかし今回は9品の具をはるかに越える500品の具を集めるのだ。
世界中探してもそんなメニュー絶対に存在しないだろう。「絶対はない」とはよくいうが、今だけは言える。絶対に500の具を入れた焼きそばを出す店は、ない。
句読点までつけてかっこつけて言ってみたらバカみたいになって焦った。
できるだけお金をかけずに500品目集めたい
とにかく今回はそんな前人未到の焼きそば作りに挑戦しようというわけだ。
前人未到! とはいえ、500品という具を集めるのはお金をかければ簡単だろう。
スーパーに行って食材を片っ端から買い占めて、足りない分は市場にでも行って珍しい物を買い足せばいい。
でもそんな「金ならいくらでもあるんだ!」みたいなことはしたくないのだ。これはプライドである。このプロジェクトは遊びじゃないし、予算もないのだ。
今回は当サイトの編集部員がおのおの自宅にある食材や、買うとしても自宅で使うことを前提に買ったなかから少量を持ち寄ることにした。
持ち寄れそうなものは共有ファイルに書き込んでダブりのないように調整しながら500品を達成したい。
家に食材、そんなにないよね
まずは編集部員の中から今回の軸となる五百目プロジェクトメンバー、安藤、橋田、古賀の3人が手持ち食材のピックアップに動き出した。
が、3家庭ともに生鮮食材の買い置きをあまりしない家とあって、驚くほど食材が集まらないのだ。
どっちみちそのうち買うもの、ということで じゃがいも、にんじん、たまねぎなど基本の野菜に、豚ばら、鶏もも、さば、たら など日常よく使う食材も各々個人的に買い足してようやく100品を集めた。
まだまだ400品以上が足りない。うへえ!
調味料も1目とカウントする、新法案制定
前もって買った食材でもう冷蔵庫も冷凍庫もぱんぱんだ。
こうなったら仕方がない。通常の五目焼きそばの五目はあくまでも具の数を示すわけだが、今回五百目のなかには調味料を加味してもよいこととした。
長らく具のみとされてきた「五目」の具の数え方において抜本的改革といえる新法案の制定である。
法案にもとづき油類や各種ドレッシング、タレ類、スパイスも食材として品目数に取り入れる。
一気に500品が見えてきた!
どこからどうみても完全な反則技だが、500品を達成するハンデだと思っていただけると幸いである。
驚いたのは、特別新たに購入しなくても基本の調味料だけで家庭に50品くらいはあったということだ。料理ってすごい。
こうなったらさらなる革命を!
しかしそれでも合計は250程度である。なんとまだ半分足りていないのだ。
ここで、プロジェクトは思い切った方向に舵を切ることになる。
缶詰や加工品、炭水化物や味に不安のないところで菓子類や茶葉や粉末の飲料の素もエントリー可能とする決断をしたのだ。
要するに、口に入れられるものならなんでもよしとした。抜本的改革どころか、「五目」にあってはフランス革命レベルの事態である。
この頃になると500品を集めるのに夢中で周りが見えなくなっていたのだ。
協力者も続々と名乗りを上げる
加工品や缶詰を取り入れたことでいよいよ品目数は350品に。あと150品だ。
ここまでくるとかなり見えてきた感はあるが、150品といっても五目の30倍である。大丈夫か。
現状携わる安藤、橋田、古賀の3名ではここから先は難しいということで他プロジェクトに奔走する編集部 林、石川と怪我の工藤も参戦。
さらに実家にたかる、社内への呼びかけなども通じて残り20品というところまでこぎつけた。
さあ、ラストスパート
残りの20品については安藤がエスニック食材店などでリストにない珍しい食材を買い出してくると少ない予算を握りしめて上野へ行った。
これでいよいよ500目達成である。
バランス悪すぎ500品目
集める猶予としては週末を挟んで5日ほどあったのだが、500目は思った以上の超ギリギリだった。
日々のご飯の買い物も「できるだけ品数を多く」という思いでいっぱいいっぱいだ。
500品の一覧を見直すとうずらの卵やチンゲンサイなどそもそもの五目焼きそばに入っているだろう食材が無かったりする(その代わり、漬物やみかんの缶詰がエントリーされているのだ)。
焦りすぎて偏りすぎた。
そして調理当日
さて、リストに500品が並んだところでもう終わった気になった一同だったが、ここからが五百目焼きそば作りのスタートだ。
500品の材料が一同に会するとなると狭い自宅での調理は不可能ということで、イベントハウス「東京カルチャーカルチャー」のフロアとキッチンを借りることになった。