ここじゃない
天覧山から降りてすぐ先に、名栗川の飯能河原という有名な河原がある。ちょうど川が蛇行した場所で、広い河原で水遊びやバーベキューが盛んらしい。
記憶の中にある、ゆるやかにカーブしている河原で遊んだのは、ぜったいここだと思っていた。条件が当てはまりすぎるのだ。
でも、行ってみたらまったく記憶にない場所だった。
向こう岸は登れないような切り立った崖だったのだ。建物なんて建っていなかった。
ここまで来て最後のポイントが分からないとは...。さすがに時間が経ちすぎていて判別は不可能なのか。
むかつく仕込み写真ですみません。
実は出かける前から、川遊びした場所に確信が持てなかった。というのも、その次の年に行った遠足でも似たような場所で川遊びをしているのだ。
コース名は「日和田山と巾着田」。ひょっとしたら記憶が混ざっているかもしれないと思って、両方のルートを調べていた。
というわけで、続けて3年生の遠足に行ってみることにした。
日和田山へ
いったん飯能駅に戻って秩父方面の電車に乗り、2つ先の高麗駅で降りた。
日和田山は高麗駅から歩いて20分くらいのところにある標高305mの山。さっきの天覧山よりは手ごたえがありそうだ。
実を言うと、名栗川で遊んだ記憶がないのと同じく、なぜか日和田山に登った記憶もほとんどない。なだらかな坂がずっと続いていたような思い出がぼんやりあるのだけど、その記憶にもなんだか霧がかっている。
そして、自分の記憶ほど頼りにならないものはないということを嫌というほど知った。
そうそう、この鳥居は覚えてる。やっぱりこんな感じのなだらかな道がどんどん続くんだ。
と思っていたら、分かれ道が出てきた。片方が男坂、もう片方が女坂という名前で、どちらからも山頂に行けるらしい。
ここは当然男坂でしょう。
と思って先に進むと、とんでもない道になった。
とにかくこんな、四つん這いにならないと登れないような急な岩場を延々と登っていくハメになった。こんなところ登った記憶ない!
30分ほど悪戦苦闘すると、急に視界が開けた。