日和田山頂
ようやく岩場を登り切ると、視界が開ける場所に出た。
眼下にはこれから行く巾着田の全景も見える。
さらに登ると、ようやく日和田山の山頂に到着。(息を切らしながら)何だここ、難易度は天覧山の比じゃない!
しかも、あんなにインパクトのある岩場を登ってきたのに、まったく覚えていないとはどういうことだろう。
でも山頂の石碑にはなんだか見覚えがあって、やっぱり昔にここまで来ているようなのだ。
その疑問は帰るときに分かった。
男坂の急な岩場を下るのは危険なので、帰りは女坂が推奨されている。看板に従って下っていくと、女坂は距離は長いけどなだらかな坂が続いていた。
...認めたくはないが、おそらく遠足のときは女坂を上り下りして山頂まで行ったのだろう。
今となってはクラス全員がそうだったのか、自分で選んだのかは分からない。なんかちょっと悔しい。
巾着田へ
さて、いよいよ巾着田である。記憶の中の河原は果たしてここなのか。
もともと巾着田は川がU字型に流れている内側に作られた農地で、現在では公園のように整備されて大勢の観光客が訪れる。
遠足で来た頃はまだ今ほど整備されていなかったと思うけど、用水路が縦横無尽に通っているのを見て興奮した覚えがある。やっぱりその血が流れていたのだ。
巾着田をぐるりと取り囲むように流れる高麗川の河原に降り立ったとき、いろいろな記憶が蘇ってきた。たぶんここだ。
ゆるやかなカーブを描く川、対岸の切り立った崖、記憶の奥底にある光景と照合作業をする。...間違いないと思う。
川の水が少ないような気がするけど、それは季節や天気で変わるだろう。
どうやら僕は、2年生の遠足の山登りと3年生の遠足の川遊びをいつの間にか混ぜて記憶していたらしい。でも両方行くことで、ごっちゃになっていた記憶の断片を整理することができた。なんだかスッキリした。
ちなみに、小学生の遠足コースとは言え1日2コースは体力的にものすごくキツかった。
遠足楽しい
さすがに遠足に使われるコースだけあって大人でも楽しかった。
記憶の糸をたぐる以外に、当時と景色の見え方がどう違うか、体力的にはどうかが気になったけど、今も昔も変わらずに砂防ダムや用水路で興奮しているし、帰りの電車では疲れて寝ていた。
つまり、基本的には何も変わっていないのだ、ということを再確認することができた。