ちなみにここ蹴上では、大津とは別の、女性のガイドさんが付いてくれた。こちらもまたきめ細かな説明で、知識欲をチクチク刺激されとても楽しい。
ふと気が付くと、お天道様が頭の遥か上にまで登っていた。今日は朝が早かった為か、我が胃の腑は既に空である。先ほどから食を求め、情けない声で鳴いておる。そろそろ昼飯にしてもらえると、大層ありがたいのであるが――。
そんな事をぼんやり考えていたら、その思いをガイドさんが察してくれたのか、絶妙なタイミングで「次は白河院でお食事にしたいと思います」とおっしゃた。おぉ、素晴らしい。……って、白河院?何だか敷居の高そうな名前のお店だな。
疏水の水を引き込んだ庭園を持つ、白河院
バスが停車したのは、京都府立動物園の裏手。しっとり落ち着いた町並みの一角に、白河院はたたずんでいた。
この白河院は、私学共済事業が運営する公共旅館だそうで、ランチもやっているのだという。その名に恥じず、格の高い風情を醸す、立派な施設である。 |