――メインターゲットは若い人なんですか?
「ええ、近年の観光業界では、いかに若い世代に参加いたただくかが課題となっております。そこで、琵琶湖疏水のような近代化遺産や土木遺産などを、サブカルチャー的な視点から楽しむという、新しい手法の観光開発が必要なのです」
――あー、確かに、最近は若い人の旅離れとか、そういう話も結構聞きますね
「近頃は、かつてのような旅コンテンツではフックできず、観光用ではないコンテンツを使った観光振興が重要なのです。特に若い世代は、ある種マニアックな視点から産業遺産に興味をもたれる方も多いので、このようなアプローチとなりました」
――なるほど、納得です。ちなみに、これまでは、どのような産業観光モニターツアーを行ったのでしょうか?
「いえ、琵琶湖疏水や横須賀の最先端産業施設を活用するのは今回が初めて試みなんですよ」
――そうなんですか!それでは、今回のツアーを契機に、観光業界がどのように動いていくのか、楽しみにしてみます。ちなみに、今回のツアー、参加者の傾向はどんな感じですか?
「今回はサブカルチャー的な魅せ方を強調していませんでしたから、一般的なツアーという印象になり、やや年配の方の比率が高いですね。ただ、若い世代からは木村さんの告知(※注)を見て、参加されたという方もいらっしゃいましたよ」
――それは良かったです。
(※注)先月の私の記事「京都では学校建築を見るべきだ」の終わりで、この琵琶湖疏水ツアーの告知をしました。
なるほど、この産業観光モニターツアーは、いわばこれからの観光の在り方にも関係してくるような、そのような意義のあるツアーだったのだ。うん、これは琵琶湖疏水のツアーというだけでなく、モニターツアーという視点で参加しても面白そうだぞ。
ツアー当日、その本気な内容に驚かされた
さて、今回の琵琶湖疏水ツアーは、琵琶湖疏水の要所要所をバスと徒歩で移動しながら、ガイドさんと共に巡るというものだ。その始点は取水口のある滋賀県大津市。
当日、集合場所である浜大津駅に行くと、そこには既に冨澤さんを初めとする主催者の方々や、ツアーの参加者が集まっていた。ほぉー、結構な人数じゃないですか。 |