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ロマンの木曜日
 
琵琶湖疏水を巡る、産業観光モニターツアーに参加した

インクラインのお次は無鄰菴(むりあん)へ

インクラインを後にした我ら琵琶湖疏水ツアー御一行は、その近くにある無鄰菴へと向かった。

無鄰菴は明治時代に総理大臣を勤めた山縣有朋(やまがたありとも)の別邸で、当時の庭園がそのままに残されている。


何気に、ここは始めての訪問だったりする
ほぉ〜、これは、これは

う〜ん、このお庭も良いですなぁ

白河院同様、この庭園もまた琵琶湖疏水の水を引き入れて作られた、池泉廻遊式の庭園。日本庭園の様式に加え、芝生など西洋の庭園意匠を取り入れた、まぁ、近代日本庭園の先駆けというようなお庭だったりする。

白河院といい、無鄰菴といい、蹴上の周辺には琵琶湖疏水の水を利用した庭園が数多い。琵琶湖の水が、巡り巡って京都の庭園に使われるというのも、面白いものですな。

 

疏水記念館でも解説付きの見学を

インクラインの下には、船を泊めておく為の船溜まりがある。現在、噴水が設けられたりして、ちょっとした親水公園みたいになっている一角だ。傍らには、琵琶湖疏水竣工100年を記念して建てられた、琵琶湖疏水記念館が存在する。

実はこの疏水記念館、以前の記事で疏水を歩いたその際に、立ち寄ろうと思っていたのだが、その時は既に閉館時間を過ぎており、見学する事ができなかった。

しかし嬉しい事に、今回の琵琶湖疏水ツアーには、この疏水記念館も含まれている。しかも、係員の方による解説付きだ。


右の建物が琵琶湖疏水記念館、手前がインクラインで、左奥が船溜まり

係員の方がやってきてご挨拶
展示物について、丁寧に説明して下さった

見学後には、モニターツアーらしくツアーのアンケートも
疏水物語なる飲料水も売られていた(100円)

 

最後は南禅寺の水路閣で記念撮影

さて、モニターツアーのアンケートも終了し、このツアーもいよいよ佳境に入る。最後は、琵琶湖疏水の分流が流れる巨大な水路橋、水路閣がある事で知られる南禅寺へと向かう。

う〜む、一番絵になる水路閣を最後に持ってくるあたり、やっぱりプロの仕事ですなぁ。


水路閣も良いけど、私は南禅寺の三門も好き
そして出ました、水路閣

琵琶湖から送られてきた水は、水路閣を通って哲学の道へ
ちゃんとした機械も無い明治の時代、よく作ったものだ

要点を網羅し、意外な発見もある、産業観光ツアー

最後はツアーらしく、水路閣の前で集合写真を撮って終了。バスは岡崎の疏水沿いを走り、そのまま京都駅へと送っていただいた。

私は旅行が好きだが、思い付きと直感で出かける事が多い為、これまでツアー旅行というものに参加した事はなかった。特に、主だった観光地を回るような普通の観光ツアーの類は、時間が自由に使えないというデメリットの印象が強く、参加に二の足を踏む事が多かったのである。

しかし、今回の琵琶湖疏水ツアーでは、主題がはっきりしている為か、押さえる所はしっかり押さえられ、かつ白河院のような、よりディープな疏水スポットを訪れる事ができ、満足、満足。

この産業観光モニターツアーの結果を受け、今後観光庁がどのような指針を打ち出すかは分からないが、このような、近代化遺産や土木遺産にフォーカスしたツアーが増えてくれれば面白くなりそうだなと、個人的には思った。

琵琶湖疏水は桜の季節が最高っぽいので、興味のある方は、今月末から来月頭あたりに訪れてみてください

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