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ロマンの木曜日
 
琵琶湖疏水を巡る、産業観光モニターツアーに参加した

ウサギと疏水と会長さん

さて、私のいるB班がまず向かったのは、三井寺である。

琵琶湖疏水のすぐ側に位置する三井寺は、比叡山と肩を並べる天台宗の古刹。優れた文化財も多く、じっくり拝観していきたいところであるものの、今回の主役はあくまで琵琶湖疏水だ。

ちょっとばかり後ろ髪を引かれつつ、疏水へ向かう。


やってきました三井寺に
でも、お寺はスルーで疏水に向かう

途中、三尾(みお)神社に立ち寄った

この三尾神社は、琵琶湖疏水の起工奉告式と竣工奉告式が行われた、疏水に縁の深い神社だそうだ。

ちなみにこの神社、ウサギを神の使いとする「兎の宮」としても知られており、特に兎年である今年の年始には、多数の参拝客で賑わったらしい。とにかく兎尽くしの神社で、その社殿や境内には、隠れミッキーの如くウサギが生息していて楽しい。

――と、訳知り顔で言ってみたが、実はこれ、ガイドさんの受け売りだ。以前の疏水巡りの時にもこの神社には立ち寄ったのだが、その時にはウサギ云々の話は全く気付かなかった。やはりツアーでは、得られる情報量が違いますな。


一見すると普通の神社のようだけど……
あちらこちらにかわいらしいウサギの紋様

社殿正面の蟇股(かえるまた)にもウサギさん
透塀に乗る丸瓦にも、キュートなウサギさん

三尾神社のあちらこちらに隠れるウサギの写真を撮っていたら、ガイドさんを始め、皆さん、いつの間にか神社を出て疏水へと向かっていた。私も慌てて後を追う。

一向は既に第一隧道の洞門のたもとにおり、ガイドさんは疏水の説明を始めていた。


いつ見ても荘厳な意匠の第一隧道洞門

疏水を見ながらガイドさんに案内してもらえる
もうじき、両岸に桜が咲き乱れるそうですよ

ちなみにこのガイドさん、琵琶湖疏水観光の普及に尽力されいている「近代京都の礎を観る会」の会長さんである。その説明は熱心かつ詳細で、面白い。

特に、疏水を巡る京都と滋賀の関係は大変興味深かった。

琵琶湖疏水の建設は、当時の京都府知事である北垣国道氏による計画だが、琵琶湖の水を京都に流すということで、滋賀県知事は猛烈に反対。ところが、その滋賀県知事は、島根県に転任させられ、後釜には疏水推進派が据えられたそうな。

また、今でも琵琶湖の水を利用する事の感謝金として、毎年2億2千万円が京都府から滋賀県に支払われているらしい。へー、そのような事情、全く知らなかったなぁ。


煉瓦と石のコントラストが美しい、大津閘門
話を聞く参加者も、皆熱心

ところで、今回のツアーに参加されている方々は、話を聞きながらメモを取ったりと、熱心な方も多く見られる。中には、観光に関係する仕事に携わる方もいらっしゃるようだ。

その辺も、普通の観光ツアーとは違う、モニターツアーならではの特徴な気がする。ただ単に、琵琶湖疏水を見学しようというだけでなく、がっつり知識を得ようという感じ。

 

船で見学、取水口

さて、ここ大津エリアの疏水見学であるが、個人の見学であれば、せいぜい第一隧道の洞門や大津閘門、取水口などを陸から眺めて終わりだろう。

しかし今回は、ツアーならではの趣向として、取水口を湖側から見学する為の船が出た。


通常は、京都の岡崎付近の疏水で活躍しているらしい、十石船

救命ベルトを装着して乗り込む
船というものは、否応無しにテンションが高まるものですな

琵琶湖疏水の取水口に舟で近づく
こちらは、京都市民の飲料水になる、第二疏水の取水口

我々の乗った船は、第一疏水(一般的にいう琵琶湖疏水)と、第二疏水(京都市民の飲料用水を引く水路)の取水口を巡り、それから大津港を一周して港に着岸した。

本当は、疏水の内部を通って、第一隧道手前ぐらいまで行きたいところであるけれど、現在は疏水の掃除や修繕の為、取水口で水が堰き止められているらしく、船で疏水に入ることはできないそうだ。

残念だけど、しょうがない。きっと春の桜の季節とか、船で疏水に入れたら、それはもう素晴らしい眺めなんだろうなぁ。


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