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土曜ワイド工場
 
富山の1290体の石像をめぐる冒険

観光資源として作った

「石仏の森」には無料の休憩所がある。そもそもこの「石仏の森」自体も無料なので、何もかもが無料なのがここのいいところだ。数百円なら払っても損はないような出来だからこそ、無料はなおのこと嬉しい。


休憩所(奥にいるのが管理人さん)

休憩所はクーラーが付いており涼しく、炎天下から一歩足を踏み入れた時は天にも昇る思いだった。せっかく手に入れた快適な環境なので天には昇らないよう必死に地に足をつけた。

さらに管理人のおじさんが冷たいウーロン茶をくれた。これも無料だ。暑いために乾ききった喉を程よく潤してくれた。管理人さんは天使だと思った。実は天使の副業は富山での管理人なのだ。


創設者の古河睦雄さんの石像

ここを作ったのは、富山で温泉施設などを運営する会社の役員である古河睦雄さん。富山の観光資源になればと思い、平成元年に約6億円をかけて作ったそうだ。

石像はすべて中国で作られここに運ばれる。「今後も増えるんですか?」と聞くと「もう増えない」とのことだった。数は確かにもう十分な気もする。


十分です

石像を作っているのは中国の盧進橋さんというその道のすごい人らしい。だからこそ一体一体違うポーズや表情の石像を作ることができるのだろう。

僕が作れば、いや、そもそも石を削る気すら起きないだろう。起きたところで結果が見える。石像にはならず変わった形の石になるだろう。


一体一体本当に面白い(羅漢「この秋オススメの髪型です!」)

 

松井のサインだ!

休憩所には畳の部屋もあって、なんとなく覗いていると誰かのサインがあった。よく街中のラーメン屋などに行くと有名人のサインがあったりするが、そんな感じでここにも有名人が来たのだとすっかり思ってしまった。


ゴジラ松井のサイン

メジャーリーグで活躍する松井のサインではないか、ここに松井が来たのか! と僕は管理人さんに「松井が来たんですね?」と憧れの眼差しで尋ねた。来たと決め付けたタグクエスチョンだ。

すると管理人さんは「いや、松井秀喜ベースボールミュージアムでもらったのを置いているだけ」とあっけらかんに答えた。管理人さんが行ってもらったそうだ。

おぉ、ここと何にも関係がない程度が場外ホームランだ。
しかも、松井秀喜ベースボールミュージアムは石川県にある。富山とも関係がない。


富山弁のポスターも貼ってあって無駄にテンションが上がる

富山弁が書かれたポスターも貼ってあった。これは富山だ。富山弁に限らず方言は別の土地に住む人間にとっては新鮮で面白い。その土地の言葉に触れるのも旅の醍醐味だ。


大好き!

 

ふれあい石像の里へ

あまりに涼しく快適で、すっかりと休憩所に住民票を移す決心をしそうになっていたので、これは危ないと「ふれあい石像の里」に赴くことにした。今いる「石仏の森」から800メートル程離れたところに「石像の里」なるものがあるのだ。こちらは羅漢ではない石像も見られる。


暑い!

「石仏の森」には570体、「石像の里」には720体の石像があり合わせて1290体となるわけだ。「石仏の森」では石像が木々が生い茂るようにあり森となっていた。
では、「石仏の森」より石像の数が多い「石像の里」はどうなっているのだろ、と期待で思春期の女子くらいに胸が膨らむが、暑すぎた。


もうね、本当にキツいの!

遠くの道路が熱で揺ら揺らと揺れる中を歩いた。キツい。電車で見た女子高生と「“だんこちんこ”な道を“ちんちんぼんぼ”して歩ければ頑張れるのにな〜(意味は上の方言の画像参照)」などと考え気を紛らわせた。

管理人さんは「だいたい車で来るよ」と言っていたが大正解だ。町内会では色白で有名だったらいいなと思っている僕がどんどんと焼けて黒くなっていた。


10分くらいで到着!

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