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富山の1290体の石像をめぐる冒険


すごい数!

富山県に1290体もの石像が並ぶ場所があるそうだ。

1体や2体ではなく、100体や200体でもなく、桁が違う、1290体なのだ。AKB48なんかよりもはるかに多い。その辺の小学校の生徒数よりも多いのではないだろうか。

そんな数の石像を見れたらさぞ圧巻だろうと思う。
やはり質も重要だが数も重要だ。僕は一万円札1枚よりも千円札10枚の方がお金持ちの気がして嬉しい派だ。そんな僕が1290体もの石像を見たら、ウハウハしてしまうこと間違いなしだ。

ということで、富山へと旅立つことにした。

地主 恵亮



初の富山へと旅立つ

1290体もの石仏があるのは「おおざわの石仏の森」という場所と、そこから800メートル程離れた「ふれあい石像の里」という場所だ。それぞれに570体と720体の石像があり、合計1290体となるわけだ。

事前情報によると、こんな数の石像群は日本で唯一らしいのだ。ワクワクして前日は眠れぬ夜をひとり抱いて過ごした。恋に恋する乙女みたいだ。


朝一の新幹線でまずは越後湯沢を目指す

取材を申し込むべく電話をすると、「いいよ〜、勝手に見て行ってよ、好きにやってよ」という快い回答をいただいた。掲載媒体も取材内容も聞かずにOKしてくれるその心の広さには、僕の中の富山株がストップ高までうなぎ上った。いろいろな期待を胸に、僕は初めての富山へと歩みを進めた。


越後湯沢に到着!(歩みを進めたといっても新幹線や電車に乗るのだけれど)

 

富山は人気の観光スポットなのか

東京駅から新幹線に乗り、越後湯沢まで行く。越後湯沢からは特急「はくたか」に乗り富山を目指すことになる。新幹線は決して空いているとはいえないけれどどうにか座れたので、「はくたか」もそうだろうと勝手に妄想していた。


越後湯沢からは「はくたか」に乗る

妄想は儚く散った。
「はくたか」の指定席は当然いっぱいで自由席に乗ったのだけれど、客席部分は人で溢れ、どうにかデッキに乗り込んだ。しかし、そのデッキも人は多く、押し寿司になった魚の気持ちを理解した。魚がかわいそうだ!


ぎゅうぎゅうですよ!

電車はガタンゴトンとリズムよく揺れるが、ぎゅうぎゅうのデッキは掴むところが無くバランスをとることさえも大変。

そんな中、僕の目の前のカップルは二人で手を握りあい支えあっていた。「楽しみだね」とかと女性が男性の耳元で話していた。僕には握る手がないので、ひとり力強く拳を握った。


手をつないでいる

これだけの人数が富山を目指すのかと思うと腰から崩れそうになる。僕が知らなかっただけで富山はそんなにも魅力が溢れる場所だったのかと。富山は人でごった返しているのだろうとまた妄想を巡らせた。


だんだん人が減って客席部分へ(と言っても、まだ座れない)

まだ見ぬ富山へと妄想を巡らせたが、黒部や直江津などで人が降りて行き、やがて客席部分に入ることができた。でも座れるくらいには乗客は減っていない。

「この人数が富山へ行くのか」なんて富山の人気について考えていると、電車は富山に着き、ぞろぞろ降りるかと思いきや大抵は「はくたか」の終点である「金沢」へと行くようだった。僅かしか降りないのだ。富山へは行かないのだ。金沢の人が「富山は田舎だから」と言っていたことを思い出した。


富山に到着!

 

石像を目指す

富山駅に着いた時点で、立ちっぱなしでヘロヘロだったため満足気味だったが、僕が目指す1290体の石像はここから高山本線に乗って「笹津駅」に行かなければならない。これがなかなかの本数で1時間に1本あるかないかだ。当然のように僕は1時間待って電車に乗り込んだ。


一両しかない

一両しかないその電車は気持ちよく夏の雲の下を走っていった。最初こそ街並みといえる場所を走ったが、やがて緑の多い場所を走った。車内は若い人もいればお年を召した人もいた。誰も彼もが夏の午後に馴染んでいる感じだった。


夏ですな

女子高生!(キラキラと輝いて見える)

僕はやがて窓の外の緑に飽き、隣に座っている女子高生を見ていた。別に深い意味は無く、なんとなく太陽に照らされた緑のキラキラした風景でなく、隣にいる若いキラキラを見ていただけのことだ。このキラキラが心地よい眩しさなのだ! 僕はこのキラキラが好きなのだ。


そんなキラキラを凝視していたら、笹津駅に着いた(一見立派な駅ですが、無人駅です)

 

あと少しで石像だ

笹津駅から20分ほど炎天下を歩いた。セミが全力で鳴き、人気のない古い家並みは幻のようであった。途中道に迷い、渡る必要がない橋を渡ったりしてさらに炎天下を歩くことになった。あとで、目的地の管理人に聞いたのだが「歩いてくる人はいない」とのことだった。1290体は歩くと意外と遠い。


うるさいほどセミの声がする

橋を渡る

さて、そろそろ限界かな、と僕自慢の「あきらめ」が胸の奥底から表面上に出始めたとき、目の前に石像らしきものが見えた。最初は少しだが、やがて多くの石像が目に映る。疲れは汗と共に流れ出してしまい、「すごい!」と自然に発してしまった。


着いた!

1290体のお出迎え >
 

 
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