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ちしきの金曜日
 
体長2.5kmの馬の絵を描く

GPSロガーをみんな手に入れるべき

閑話休題。ここで、GPSロガーがある生活がいかにおもしろいかをお伝えしたい。

石川さんに出会って、GPSロガーを購入してからこっち、外出時にはかならず持って出かけている。そうやって記録してきた、ここ3年間ぐらいのぼくの外出ログを見ていただこう。


首都圏付近での、ぼくの3年間の外出記録。鹿島の工場に行きすぎ。

東京部分。太い十字は秋葉原。いかに電車で移動しているかがよくわかる。

3年間、何回も往き来する経路が太くなっている。これはGPSの計測誤差によってこうなるのだが、これはかえっておもしろい。

秋葉原を中心に、船橋の自宅から山手線、中央線へと乗り換える行動が主流なのがよくわかる。あと東西線も多く利用しているが、荒川を越えたところで地下に潜るのでそこでログがぷっつりと切れるのもおもしろい(衛星を使って計測しているので地下や建物の中ではログがとれない)。

それにしても、こうやって眺めていると奇妙な感慨にとらわれる。一本一本の軌跡に思い出があるのだ。思うに、自分の移動のログってへたな日記や写真より記憶を喚起するものなんじゃないだろうか。

たとえば、当時付き合っていた女性の家に足繁く通っていた経路が、当時のぼくの思いを表すかのように太く何回も塗りつぶされている。

そして、彼女と別れたあとには、その線はまったく引かれなくなる。

…えーと、なんの話だっけ。ああ、あと、全体的に工場とかジャンクションに行きすぎ。

 

移動すること自体が目的ってへんなかんじ

さて、なんだかおセンチになってしまったので話を元に戻そう。

今回のコース分けは結果的にとてもそれぞれ個性豊かなものになっていた。石川さん率いる緑チームは後ろ足を描くコース。距離が最も長く、鉄道や大きな通りをまたぐ。

一方、赤チームは距離は短いものの、非常に起伏に富んだものだった。そしてぼくが加わった青チームのコースは、前半と後半で街の性格がまったく異なり、この界隈の街のおもしろさを堪能することとなった。


参加した「絵描き」たちのつぶやきのまとめ(@niyalist さんによる)。赤チームの坂道へのおののきと、さいごぼくがキレてるのが印象深い。

ぼくは青チームだったので、ほかのチームのメンバーに道中写真を撮ってもらい、あとでそのデータをもらったのだが…


赤チームの写真がことごとく坂の写真!

坂、坂、坂。

どこか目的地があって坂を登ってるのではなく、描くために、つまり移動することそれ自体が目的なので、よけいつらいんだと思う。

しかも登ったり降りたり。

というか、赤チームメンバーのひとり@yookudさんの、その黒板はなんなの。赤チーム、ちょっとおかしい。

各チーム道中おもしろいことがたくさんあったとおもう。住民の方でなければあまり訪れないであろう住宅街をぐるぐるとまわるのはそれだけでおもしろいし、なんせ「絵を描くため」に街を行くということ自体がエキサイティングだ。コースを見れば分かるように、ひとはふつうこういうふうには移動しない。


たとえば馬のクチの部分なんかは、行った道を…

すぐ引き返す、という歩き方をしなければならない。

道中あったことすべてを紹介はできないので、一点だけ、自分の青チームが経験したGPSロガー地上絵ならではのおもしろい経験を紹介しよう。


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