かっこいい電車
ホームに入ってきたのは、古い駅舎にそぐわないほどかっこいい電車だった。 これに乗れるのか。 2時間待機したごほうびだなこれは。
この企画の楽しいところは船がメインで、あとは電車に揺られているだけだと思ったが、シートがリクライニングして窓が大きい電車に乗れるなんて、もうウホウホだ。
房総の海を見ながら
電車が動きだして数分、海岸線を眺めているうちに、うっかり寝てしまった。 フェリーの椅子は背もたれが倒れなかったので、ここへきて一気に睡魔がやってきた。 寝ちゃもったいないな、特急だし。 がんばったんだけど、勝てなかった。
そして東京
うとうとしながらも君津くらいまでは覚えているのだが、次の瞬間は東京だった。
横須賀線まで遠い
たぶん1時間くらいは熟睡していたと思う。 電車が到着したのは、他の路線から遠いことで悪評の高い京葉線ホームだった。 久里浜行きの電車が来る横須賀線のホームは向こう側の遠いところにあるので、駅の反対から反対まで急いで移動した。 ところが、横須賀線のホームに着いてみると、直通の久里浜行きはなく、途中の逗子止まりだった。 久里浜まで直通するのは本数が少ないのだ。
都内を抜けて2周目
東京駅を11時26分に出発し、スタート地点の西大井を通り過ぎて2周目に入った。 横浜、鎌倉を通過し逗子で乗り換えて、久里浜に到着したのは13時ちょうどだった。
ギリギリだ
つぎのフェリーは13時15分発だ。 バス停に急いだが、バスに乗っていては間に合わないのに気づいてタクシーに乗った。 駅を出てそのまま乗っていれば間に合ったのだが、バス停まで向かってしまったせいで、フェリー乗り場に到着したのは13時15分を過ぎていた。
ご飯でも食べましょうよ
無理すれば乗せてもらえたのかもしれないが、つぎのフェリーは14時5分発なので、それに乗船しよう。 その便でも、なんとか3周が可能なはずだ。 それよりもなによりも、朝フランクフルトを食べたきりで、おなかがぺこぺこなのであるよ。
なぜか豪雨
頼んだラーメンは、かき混ぜないと下の方が味が濃いという、大変珍しいラーメンだった。 観光地特有の味覚に舌鼓をチェッと打ちながら食べていたところ、窓の外の様子がおかしい。 真っ暗なのだ。 そして激しい雨が降っている。
たたりか
僕が何かしただろうか。 たしかに公明正大に生きてきたとはいえないが、それでも今このタイミングで一天にわかにかき曇るような仕打ちを受けなければならないような、そんな悪行をしてきただろうか。 してきたな。 しかたあるまい。 運命は甘んじて受け入れるタイプの人間なので、珍しいラーメンと突然の雨というダブルパンチに耐えよう。