また待ちます
朝の時とは違い、こんどは待合室で運航再開を待った。 「さっき無理してでも乗っていれば」ということを考えないようにするのに苦労しながら時間が過ぎるのを待った。
朝とは違って、乗客は夏休みに観光できたらしい人が多く、お父さんがイライラして子供がぐずるという、気の毒な光景が見られた。 僕の場合は、欠航したというのも記事になるが、子供が夏休みの日記にフェリーの欠航を書くのはかわいそうだ。 かわいそうだが、それが現実というものだ。 泣きわめいたって、状況は解決しない。 だから、泣くな。
晴れ間がでてきた
15時を過ぎたころから空がまた明るくなってきた。 ほどなく運航再開するというアナウンスが流れた。 またターミナルで2時間過ごしてしまったことになる。
また房総に向かいます
15時15分、フェリーは出港した。 先ほどは外に出て景色を眺める余裕があったが、こんどはもういい。 じっと座っていたい。 いつ動くかわからないフェリーを待っているというのは、精神的にも疲労するようで、また少し眠ってしまった。 水平線を眺めるのもいいが、船の揺れに身を任せるのも船旅の一興。
さあ、急げ
下船するとまた晴天だった。 僕と久里浜の相性がよくないのかもしれない。 いい天気と睡眠で気分も回復した。 さて、試合再開だ。駅に急げ。
いやいや、どうする
といきたいところだが、どうだろう。 今から急いで電車で久里浜に向かって、3度目のフェリーに間に合うだろうか。 もう、無理じゃないのか。 せっかく観光地にきたのだ、どうせ間に合わないのなら、おみやげ屋でものぞいていこうか。
ベストを尽くせ
さっきのラーメンがあれだったので、おいしいものも食べたい。 冷静になって計算してみたが、やはり久里浜19時10分のフェリーには、どうがんばっても間に合わない。 でも、ここで道草をするのは記事の趣旨から逸脱してしまう。 できるところまで行くべきではないだろうか。
悩み多き36歳の夏
でもしかし、どうせ間に合わないのだ。 2周しかできないのだ。 だったら実を取るべきだ。 でもでもしかししかし、内野フライでも一塁まで懸命に走る高校球児は美しい。 ゴールはまだ先にあるのだ。 でもちょっとだけ、ゴールの前に、ちょっとだけ鯵のタタキを食べてもいいのではないか。 海鮮レストランの入ったおみやげ屋さんの前で、悩みに悩み抜いた。