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フェティッシュの火曜日
 
大人が風船を本気で追いかける

移動中

気分を一新すべく場所を変えるために移動中の車内で、風船をまったく追いかけることができなかった、失敗だと自分の不甲斐なさを嘆いていたら、妻が「でも今日は、いつもの記事よりは上手くいってるわね」と親指を立てかねない勢いでいったので、おもわず鼻水がでた。そうか、いつもぼくはもっと酷い感じなのか。


高い山がなくて追いかけやすそうなところへ

さあ気をとりなおして再チャレンジだ。写真をつけるのはやめにした。あまりにハイリスクだ。
さらに安全を考慮し、風船が決してどこかへいってしまわないようにした。つまり、おもいっきり長い糸を結びつけた。


500mの糸

これだけの長さがあれば、風船に自由を与えつつも喪失する心配がない。 大人が本気になるということは、こういう手段も用いるということなのだ憶えておくがいい世のガキんちょどもよふははふはふ。


風船を高く高くあげる

糸をほどくたび、風船はどんどん上昇していく。


風船、遠慮ない

あ、ダメだ。このままだと森の向こうへ消えてっちゃう。ぼくは急いで糸を手繰り寄せた。ただ、あんなに高いところで浮いている風船がまだぼくの手の内にあるということが、かなり嬉しい。「あれ、ぼくが飛ばしてるんですよ!」と、誰かに伝えたかったが、撮影中、猫一匹通らなかった。


絡まった部分を捨て途中からは左手に糸を巻いていく

やっとのことで回収を済ませた。そうしてぼくは理解した。風船を高くあげてはいけないのだ。そうなると人が越えられないような障害物も簡単に越えてしまい、結果として見失うことになるのだ。
たどりついた結論は子供でも周知の事実ではあるが、こんな周知の事実を改めて文章にして発表した人間は、少なくとも21世紀ではぼくが最初ではないだろうか。それなりに勇気のいる発言だということは認めてほしい。

よし、もうこうなったら風船をあんまり浮かないようにして追いかけやすくするしかない。それって最初の目的と照らし合わせてどうなのよという話なのだが、追いかけるという手段を目的化することで、なんとかこの記事の着地点を見出すのだ(言っちゃった)!

 

ほどほど浮く風船を追いかける


カバンに入っていた紙をつかって

持っていた懸賞応募用のハガキを適当にちぎり、糸の先につけて浮力を調整する。これにより、高く浮いてしまうことのない、とっても追いかけやすい風船ができあがるのだ。

というわけで、見事に風船を追いかける大人の映像をご覧いただきたい。



おじいちゃんだ。
よちよち歩きの孫を見守る散歩中のおじいちゃんの映像である。

ちょっと紙が重すぎた。ズリズリ引きずっちゃってるじゃないか。もう少し軽くしよう。


どうでもいいけどさっき手に巻いた糸がきつすぎてとれない

というわけで、今度こそ大人が本気になって風船を追いかけている映像をご覧いただこう。



トレーニングだ。
風船と大会目指してトレーニング中の人だ。


セロリ、はいダッシュ!

はいセロリ、そこで諦めない!

ヘイヘイ! 重心もっと低く!

ヘイヘイやばいよ!
  そこ他人の畑的な場所的な!

んでもって取るのに必死的な!

風船を追いかけるというのは大人にとっても容易なことではない。はっきりいって、ちょっと高く浮いてしまったら、もうあっちのもんである。風船を見送る際の無力感は、大人になっても変わらないもののひとつなので、無駄な勝負を挑むのは皆さんもやめにしたらいいとおもう。
それにつけても気にかかるのはあの写真の行方だ。どこまで飛んでいってしまったのか。知り合いにでも拾われたらどう説明すればいいのか。

とにかくとても気になるので、そのうち「ちょっと見てきて」に投稿しようかと考えてます。

戻ってきてくれてありがとう的な!

 
 

 

 
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