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フェティッシュの火曜日
 
滑川ホタルイカ祭りで目玉をとばしてきた

特訓なくして勝利なし

ホタルイカ世界三大競技に二連敗した我々だが、最後の目玉とばしくらいは入賞を果たしたい。いやできれば優勝して、履歴書に「2009年ホタルイカ目玉とばしコンテスト優勝」と書けるようになりたい。

それにはやはり練習、いや特訓が必要だろうということで、そろそろ腹も減ったし(H君は除く)、売店で売っていた朝採れの釜揚げホタルイカを購入。これがまたプリッとしていてうまかった。


昨日のはフワッフワしていたが、今日のはプリップリ。どっちもうまい。酢味噌がまた合うんだ。大食い中なのに酢味噌をかけたH君の気持ちがよくわかった。 「うんめー。やっぱりホタルイカは適量を食べるのがいいよね!」

秘密の特訓といえばやはり海。幸いほたるいか祭りの会場裏がすぐ海だったので、日本海を舞台に、目玉とばしの特訓をすることにした。

その前に、まずはイカの目玉を口の中で残す練習から。気を抜くと目玉ごと飲み込みそうになるのだ。


とばす目玉は一つなのだが、イカの目玉は二つあるので、どっちにするか口の中で迷う。

僕がいままでに口からプッととばしたことがあるのは、スイカの種、さくらんぼの種、梅干しの種、抜けた乳歯くらいだろうか。もちろん競技としてではなくプライベートとしてだが。

そのどれと比べても、ホタルイカの目玉はあまりにも小さい。米粒くらいの大きさである。この軽くて小さい物体を遠くにとばすためには、やはり勢いが大切だろうということで、一度横を向いて、体のひねりと左右の首の動きをプラスすることで、自信のない肺活量を補うことにした。

そう、砲丸投げの要領である。


事情を知らないと、ただの行儀が悪い人である。


飛距離、約3メートル。

うん、優勝するために必要な距離がよくわからないが、やはりホタルイカの目玉はそんなに遠くまでとぶようにはできていない。

逆にいえば、きっとどうせみんなもそんなにとばせないのだから、タイミングさえあえば私にも優勝が狙えるということだ。周りを見渡しても練習をしているのは私だけ。明らかに他の二種目よりは期待ができそうである。

 

世界記録は10メートル50センチだった

ホタルイカ目玉とばしコンテストの時間が近づくと、ステージ前に長い長い人工芝がレッドカーペットのように敷かれた。

どうやらこれが目玉とばしのフェアウェイのようだが、ちょっと長すぎやしないだろうか。5メートルもあれば十分ではないかと思ったのだが、そこに張られたテープの文字に愕然とした。

白いテープは10メートルライン、そして黄色いテープは世界記録の10メートル50センチを記していたのだ。これはもう目黒の寄生虫博物館でサナダムシの標本を見たとき以来の驚きである。あれは長かった。


ゴルフの練習じゃないんだから、こんなに長い人工芝はいらないでしょうと思ったら、ここまでとばす人も世界にはいるんですね。 世界の壁はあまりにも高い。

ちなみにこの記録、アメリカ大会でのものらしいのだ。どういう事情でアメリカでホタルイカの目玉をとばすことになったのかはわからないが、さすがアメリカといわざるを得ない記録である。カール・ルイスよりも遠くにとぶホタルイカの目玉。

メジャーリーグと日本のプロ野球では使う球が違うように、売っている野菜の大きさが違うように、アメリカと日本ではホタルイカのサイズや空気抵抗が違うのかもしれない。それにしても10メートル越えかあ。

 
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