第二種目はホタルイカ大食いコンテスト
二回目のヨサコイなどを見ている間に午後になり、お昼御飯を抜いて臨んだのは、第二種目のホタルイカ大食いコンテスト。
さっき昼寝をしたので体調がだいぶよくなったとはいえ、富山に来てからしょっぱいラーメン食べたり夜中にホタルイカ捕まえたりで疲れ気味のHくん。とりあえず昨日海でみたホタルイカみたいにプシューと吐くのだけはしないでいただきたい。
このコンテストのルールは、20匹の茹でたホタルイカが入ったどんぶりを5杯、合計100匹を早く食べた人が勝ちというもの。この量を魚屋で買ったらけっこう高いので、ある意味贅沢な競技である。ちゃんとからし酢味噌も用意されているみたいだし。
よーいスタートでレース開始。ホタルイカを一匹づつ箸でつまんで口に運ぶH君に対して、お茶漬けのCMみたいにドカドカとかっこんでいく大食いの猛者達。もちろん酢味噌なんて誰も使わない。開始5秒でこれじゃあ優勝なんて無理だなと悟った。
やはり素人には無理がありました
この日の参加者は、このために来場した大食い自慢さんと、祭りにきたらやっていたので軽い気持ちで参加した普通の人が半々くらい。
その差は歴然で、前者はどんどん空のどんぶりを重ねていき、優勝した人は41秒という大会新記録で完食。ホタルイカを1匹あたり0.4秒で食べた計算になる。インタビューによると事前にホタルイカをたくさん購入して練習してきたらしいよ。
それに対して後者はだいたい二杯でお腹がいっぱい。まあ普通の人ならホタルイカを40匹も食べれば、そりゃお腹も膨れるだろう。40匹でもたぶんホタルイカ一年分だ。
Hくんはもちろん「軽い気持ちで参加した」側で、大食い自慢達が食べ終わっても、まだ一杯目。なんだか彼がだんだんと給食を食べきれない小学生に見えてきた。
そういえばH君は「美味しいものは少しでいい」とよくいっていた気がする。
私が彼の参加を促したので、ちょっと悪いことをしたかなと反省。でも見ていておもしろいので、後悔はしていない。
タオルを投げ入れようか迷う
制限時間は五分間。しかしタイムアップを迎える前に、H君がなんだか涙目になってきた。数年前に二人で某タイ料理店にいって、彼が怪しいサラダを食べて吐いたときの顔色に近づきつつある。
こりゃいかんと、すぐにセコンドとしてタオルの投入を準備する。ここで吐いたらホタルイカに失礼だ。
しかし彼の眼はまだ生きていた。アイコンタクトでタオルの投入をストップさせ、おもむろに誰も使おうとしなかったからし酢味噌をとりだして、ホタルイカにたっぷりとかけて、また食べだしたのだ。
制限時間いっぱいまで戦った彼は、「二杯半」という下から数えた方が早い成績でコンテストを終えた。
来年はぜひ優勝とは言わないけれど、時間内の完食を果たしてほしい。
戻ってきた彼に大食いコンテストの感想を聞いてみたところ、「いやー、おかわりを出す係の高校生があまりに暇そうで申し訳なくて謝ったら、僕も食べる自信ないですって励まされてさー。富山県民の暖かさが身に染みたよ。」と、本題と関係ない答えが返ってきた。
隣に座っていた第三位のおばさまには、競技中に「噛んじゃ駄目よ。飲まなきゃ。」というアドバイスをもらったそうだ。「カレーは飲み物」というのはよく聞く言葉だが、大食い界ではホタルイカも飲み物らしい。まさに住む世界が違っている。