いぜん「共食いキャラクターを鑑賞する」という記事を書いたが、その第二弾をおとどけしたい。
すでに「韓国編」もお届けしており、クラブ活動も行ったことからもうすうすお察しとは思うが、この共食いキャラ収集はぼくのライフワークになりつつある。気がつけばパソコンの中の写真フォルダは彼らで一杯だ。定期的にはき出さないとなんか呪われそうだ。
今回はそのハードディスクいっぱいの共食いキャラコレクションの中から、ブタモチーフのものをご覧いただきたい。
供養の意味も込めて、お付き合いください。
(大山 顕)
共食い界のキング・ブタさん
共食いキャラとは食べ物やさんなどの店頭でお目にかかれる、キャラクター化された食材のこと。トンカツ屋のブタさんのコックなどが有名だ。
自らを食べろ、と呼びかけなければならないつらい任務を担わされた哀れな彼ら。ぼくの長年の鑑賞経験からすると、その悲哀を最もよく表しているのはブタさんだ。ウシ、トリの共食いキャラも多数存在するが、ブタさんがいちばん哀れに見える。
まずは破顔一笑、危機感の薄い共食いブタさんたちをごらんいただこう。
どうだろうか。特に後半2つの純朴そうなブタさんなどは涙なしには鑑賞できない共食いっぷりだ。
おそらく、まさか自分や仲間を食わす店だとは思わずに客寄せをやらされているのだろう。「いいからいいから。表でお客さん呼んでくれればそれでいいから」とか言葉巧みに。「資格もいらない、簡単なお仕事です!」とかそういう募集だったか。
中にはコック帽で仲間を調理する裏切り者もいるが、全体的にブタさんはなんかかわいそうだ、といつも感じる。
一方、自らの境遇を悟ったかあきらめ顔のブタさんもいる。
あきらめ顔のブタさんたち
満面の笑みで危機感の薄いブタさんもいれば、「どうやらぼくは仲間を食えと言わされているらしい…」と感づいたか、妙に神妙な表情の共食いブタさんもいる。
できればこんな仕事は辞めたい。でもこの不況下ほかに雇ってくれそうなところもない。オレだって家族を養わなければならないし…といったところか。書いててほんと、切なくなってきた。
このあきらめ顔系ブタさんにこそ、共食い界におけるブタさんのかわいそうな感じがよく表れていると思う。心して鑑賞されたし。
なんか、しめっぽくなってしまった。すまん。
気を取り直して、共食いキャラ収集をはじめたいと思っている方に、共食いブタさんが頻出するお店をお教えしよう。それは、ラーメン屋さんだ。
トンコツラーメン屋に、共食いキャラあり。
いつも思うんですが、ラーメンってなんで「道」になってしまうんでしょうか。店員さんが作務衣なんか着ちゃったりして、なんか気合いの入った大きい声出すし、「こだわり」を大事にするとか、なんか全体的にラーメン屋さんってほっとくと「ラーメン道」になる気がする。食としてそんなに歴史ないのに。ポスターとかでもハチマキして腕組みしている店主の写真とか多いし。黒バックに燃え上がる炎とか。
話がそれたが、ラーメン屋さんには共食いブタさんがかなりの確率でいる。もちろん豚骨がウリのラーメン屋さんに限るが。
個人的には「ラーメン道」系のお店の店頭に共食いキャラがいたりすると複雑な気分になる。「道」のまえに、あのキャラをどうにかしろ、と。かわいそうじゃないか。