全然地味じゃない
「深海魚のぼり」、完成した!
と、写真のキャプションでは皮肉ったりして平静を装っているが、本心は「子供レベルの絵でどうなることかと思ったけど、こうして見っとけっこうサマになってるがん!これイケんじゃん?」である。
ではとくと詳細を見ていこう。
と、このように。 私は勝手に、「リュウグウノツカイ」「タツノオトシゴ」あたりを、3大おめでたい魚と思っている(めでたいんだから鯛じゃないのか、とかいうことではまったくなく、そしてあと1匹はなんだ)。まず形がめでたい。優雅。達観。福音。そんな言葉が彼らの姿から思い浮かぶ。めでたいじゃないか。
そんなリュウグウノツカイがマゴイなら、ヒゴイはダンゴコンニャクウオ。言ってて自分でもよくわからなくなってきた。とにかく、泳がせてなんぼだ。紐を張ってみよう。
この日は、前日の陽気とは打って変わって曇天、強風。紐をピンと張る前から、長い魚たちがボーボーと風にあおられ、飛ばされないようにするのに一苦労だった。これが屋上から降ってきたら大変だ。トラックのフロントガラスにでも覆いかぶさった日には。言い訳が面倒だ。そう思い、引く手に一層の力を入れた。
さすれば見よ!深海魚たちは、ふだん目にすることのなき光をあまた体に受け、悠々と(ときにやたら激しく)大空を泳ぐではないか。私は、とてもうれしい。
青空に深海魚が泳ぐ、というミスマッチを期待していたのだが、あいにくの天気。どんより曇った空に深海魚という、アガル要素のない絵になってしまった。
が、この強風で彼らが激しく泳いでいる。何なんだ。 この「何なんだ」のためにやった企画、悔いはない。