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フェティッシュの火曜日
 
オルゴールでバンド演奏を


本気で改良します

 先ほどの手回し式キッチンノイズマシーン、問題点は3つだ。

1.箸の素材では、楽器に当たってもいい音がでない

2.楽器が揺れるので、箸がうまく当たらないことがある

3.回転がゆっくりすぎて、当たってもいい音がでない&そもそもゆっくり回すのが難しい

4.ピンが抜ける

 ひとつずつ解決していきたい。

 

ピンを固くする

 シリンダーの回転はゆっくりなので、打楽器を「叩く」といってもその勢いは微々たるものだ。それでも少しでもいい音を出そうとするなら、材質を固いものに変えるのがいいだろう。割り箸は柔らかすぎたのだ。


ピンの先にテープを巻いて
木ネジをねじこむ

こんな感じで量産します

試しに叩いてみると…


 割り箸の頭にネジをつけて、固くしてみた。

 試しに叩いてみると、カーーーーーンといい響き。これはいける。金属のボウルだけでなく、牛乳パックも大きな音が出るようになった。

 

 

針金を大きく曲げて

楽器をちゃんと固定

 ピンに当たった衝撃で、楽器が揺れたり、クルクル回るのだ。そのせいで、1回目はちゃんと叩けても2回目はピンが楽器に当たらなかったりする。

 楽器の揺れを抑えるために、つるしていたタコ糸を針金に替えた。さらに、楽器が回転しないように、針金で押さえて固定した。これで揺れすぎず、かといって箸がつっかえない柔軟さを実現。


牛乳パックが揺れないように固定する

ボウルもこんなふうに

 

 

1周8拍でひきなおし

勢いよく回す&ピンを固定

 シリンダーの回転が遅いと、テンポをキープして回すのが難しくなる。さっきは1周で16拍にしていたのだが、1周で8拍に作り替えた。そのほうが同じテンポでもシリンダーを2倍の速度で回せる。

 そしてピンが抜け落ちる問題。当初、完成したらピンを抜き差ししていろんなパターンを鳴らそうと思っていた。そのためにボンド止めはしていなかったのだ。しかし今となっては、そんなことを言っている場合ではない。目標はこの1曲を完成させることだ。観念してボンド止めを決行。


ピンの根本にはボンドを注入

細工が増えて、だいぶカラクリ感でてきました

 

 

マリンバも揺れないように針金で縛り付ける

メロディもつける

 いろいろ細工をしたついでなので、このままメロディも付けてしまおう。

 マリンバの竹は他の楽器よりも幅が狭い。それだけに繊細なピン留めが要求されるところだ。

 


高さと横位置をうまく合わせて

ド、レ、ミ、ファ…


きれいに等間隔に並びます

メロディ部分、完成


 手は尽くした。このマシン、これをもって完成としたい。

 曲は、簡単そうなカエルの歌をチョイス。ハードルは下げに下げた。とはいえ、8拍しかないので「か・え・る・の・う・た・が」までだ。 

 オルゴールを応用し、進化させようという当初の目的からは大きく逸れ、ずいぶん退化している気がする。まだ動かしていないけど、早くも夢破れた感。しかし目の前には僕がこの手で作り上げたひとつの装置がある。生みの親としては、この出来損ないにも、せめて音楽といえるものを奏でさせてやりたいのだ。

 

 

 

 
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