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はっけんの水曜日
 
世界スリッパ卓球大会に参加してきた

大会がスタート

定刻になると出場選手全員が整列し、いわゆる開会式らしい開会式がおこなわれた。

こうやって選手が集まってみると、たまに「サークルのみんなが参加するから」みたいな雰囲気の人もいるが、やっぱり卓球に対して本気モードの人が多いように思える。よく考えたら卓球が好きじゃないと参加費を払ってまで大会にでないですよね。スリッパが好きでこの大会に出るっていう人は少ないだろうし。


ステージの背景が派手だ。 みんな私より上手そう。

でもせっかく参加するからには、デイリーポータルZを代表するつもりで、一勝目指してがんばります。ちなみに私の卓球経験は、32年間でトータル6時間くらいだと思います。



前回優勝者が同一ブロックという不運

私が参加したシングルス部門は、3〜4人による予選リーグから一名が決勝トーナメントに進むことができる。このブロックは3人なので、勝ち上がる確率でいえば三分の一と、4人のブロックよりは明らかに有利である。もし予選敗退の場合は、わずか二試合で帰ることになるのだが。

こうなると問題は同一ブロックの選手なのだが、一人は地元山形の女子大生で卓球の経験はゼロだという。同じサークルの留学生達と一緒に参加したのだそうだが、このお嬢さんになら悪いけど勝てるだろう。

だがもう一人は明らかに本気っぽい出で立ち。聞いてみたら、前大会の優勝者だった。とほほ。


絶対に負けられない戦いがここにある。 絶対に勝てそうにない戦いもここにある。

いや、とほほとかいっている場合じゃない。この時点で決勝トーナメントへの希望はなくなったが、世界最高レベルのスリッパ卓球に触れるチャンスなのだと前向きに考えて試合に臨もう。



いくらなんでもルールくらいは知っていた方がいい

進行表によると、このブロックの第一試合は私の出番なし。残りの二人が先に対決をするのだが、このとき「試合のない人が審判をやってください」という衝撃のアナウンスが流れて焦る。

いくらスリッパ卓球といっても、ルールそのものは卓球のルールなのだが、私はサーブ権とかの細かいルールがまったくわからないので審判ができないのだ。しかもブロックは3人なので私以外は人がいない。

困り果てていた様子を見た隣ブロックの空いていた選手が審判をやってくれたので大事には至らなかったが、靴はないわ、審判はできないわ、もう最悪である。無知は時として罪だなと思った。


卓球のサーブ権が2本交代なんて初めて知った。 すみません、審判おねがいします。

この第一試合はさすがに実力差が大きいのであっさりと試合が終わった。やっぱり前回優勝の看板は伊達ではないようだ。



目指せ一勝!

続く第二試合は私と女子大生の試合だ。事実上このブロックにおけるビリ、いや二位決定戦である。

なおこの試合は選手が二人ともルールをよくわかっていないので、審判の判断によりサーブ権はボールが手元にある方、その他細かい反則は不問という非公式ルールが採用されている。


なんだか照れくさいです。

このスリッパ卓球、実際にやってみるとラケットがスリッパという違和感はほとんどない。普通の卓球がよくわかっていないからかもしれないが、なんの問題もなくゲームができる。

使用する玉がスピードの出ないラージボールで、なおかつスリッパの裏側は弾性が弱いため、ピンポン玉の速度が普通の卓球に比べてだいぶ遅く、私たちでもラリーが続くのである。二往復くらい。


サー!

スリッパ片手にパコン、パコンと女子大生と卓球。大会なので一応真剣にやっているのだが、相手が相手なので私も大学生に戻った気分で、正直なところとても楽しい。はい、気持ち悪いですね。

とか考えている間に、卓球初心者の女子大生にストレートで負けました。


本気でやった上での敗戦。さらば我が青春。

久しぶりにスポーツをやると、自分がイメージしている以上に己の運動能力が低くてびっくりする。

 
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