やっぱりか…
楽しみな缶がある。気になる缶がある。目の前に全部で10個もある。このワクワクした気持ちを、どう表現したらいいのだろう。
とりあえず食べ始めよう。まずは、当然のように油漬けから手を付ける。
油漬けは、どれも期待通りのおいしさだった。本当においしい。びんながマグロを使った「ファンシー」と「成城石井」が特に素晴らしく、食べながら終始ニヤけっぱなしなほどであった。ツナ缶って、こんなにおいしかったっけ?
続いて、水煮タイプを攻めた。
油の後だから仕方がないとはいえ、どうしてもマグロがパサついているように感じられてならない。口の中での滑りも悪く、多少ではあるが飲み込みづらさもある。
うーん。なんかもったいない。おいしくなる何かが決定的に不足している気がするんだが、それってもしかしてこういうことなのでは…。
驚いた。その舌触りの良さといったら! さらに、オリーブオイルのいい香りが「ふ〜ん」と鼻から抜けていく。これは油漬けよりおいしいかもしれない。ツナ缶が一気に「化けた」と言ってもいい変身っぷりである。
調子に乗って、ゴマ油でもやってみた。
おいしくないわけがない。これは酒のツマミとして立派に通用するんじゃないか?
いやあ、油ってすごい。本当にすごい。
…いや待て。それぞれの会社が苦心して作ったノンオイル製品を「油をぶっかけたらおいしくなる」で済ませていいのだろうか。
おいしくなるのは事実だが、さすがに申し訳がないと思う。「あんた、何してくれちゃってんの」と怒られても弁解のしようがないことをした自覚がある。
料理に使って判断だ
考えてみれば、ツナ缶をそのまま食べる機会というのはそうそうない。やはり「何かと一緒に」「何かと混ぜて」が定番と言えよう。
というわけで、残ったツナ缶を同じ料理に使ってみて総合的な判断を下したいと思う。
準備したのは玉ネギのみじん切り、粒マスタード、塩、コショウ、マヨネーズを混ぜたソースだ。
はい、もうお分かりですね。同じ条件でツナサンドを作って食べ比べようという趣向ですよ。
そうと決まったら、とっとと作ってさっさと食べよう。