デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
ツナ缶を食べ比べまくる

のしかかる10種類

「だから言わんこっちゃない」と、自分を罵りながらのサンドイッチ作りとなった。なんだ10種類って。食べ比べるだけでも大変なのに、さらにそれを作れってか。

次回からの食べ比べ企画は、せいぜい5種類くらいまでにしよう。絶対にそうしよう。


同じことを10回繰り返すのって、本当に、本当にウンザリする作業だ。
なんとか挟み終えた。「何ごとにも終わりはある」と感じた瞬間。

バターを20枚のパンに塗りつけた段階でウンザリ感はピークに達しかけていたが、なんとか最後までやり遂げることができた。

さらにパンをカットしてラップで包み、それぞれにツナ缶の商品名を書いていく。


最初はラップに直接書いた。でもラップがくしゃくしゃになったら読めないな…と思い、
最終的には紙に書いてテープで貼り付けた。こういう手間も10倍だ。

まるで、サンドイッチを完成させることが目的だったかのように、出来上がった時点で「終わった! さあ、あとは原稿を書き上げるだけだ!」と思ってしまい、慌てて頭の中で「違う違う!」と打ち消す。

ちゃんと食べなさいよね。


パンの入っていた容器は、出来上がりを詰めるのに便利。

さて、今回は作ったサンドイッチを外で食べようと決めていた。いつもいつも家の中の作業ばかりでは息が詰まるし、なにより写真が単調になる。

そろそろ春めいてきた東京では、昼間ポカポカと暖かい日もあるくらいだし、ピクニック気分も満喫できるに違いない。

そう思って外に出てみたのですが。


作業に手間取ってるあいだに、とっぷり日が暮れていた。

なにがピクニック気分だ。なにがポカポカと暖かいだ。夜はきっちりと寒く、素手でサンドイッチを食べるには、やはりまだ厳しいものがある。

いや、仮に寒さを我慢できたとして、いつにも増して侘びしい写真じゃないか。しかも、セルフタイマーを使った一人撮影ときた。この圧倒的な惨めったらしさは一体なんだろう…。


とっとと帰宅してテーブルにサンドイッチをぶちまけた。
酔ってクダを巻いてるように見えるかもしれませんが、なるべく貼った紙を見ないようにして食べ比べ中です。

ツナサンドに限らず、同じ種類の物を食べ続けながら感想を述べて順位を付ける作業というのは、想像以上にハードなものである。

「あれ? さっきの方がツナの味が強かったような…」とか「さっきのツナをもう一回食べてみたいけど、どれだっけ?」といったように、順番やら味やらがゴチャゴチャになるのだ。それが10個もあるときた。

もちろん、腹はとっくに破裂寸前だ。


本当に何もかもがイヤになった。

味の感想を簡単に述べさせていただこう。やはり素直に「おいしいな」と感じたのは油漬けを使ったツナサンドだった。味に深みとコクがある。

水煮を使ったツナサンドはさっぱりとしていて、玉ネギやパンの味が強く感じられた。油が苦手な方には、こっちのツナサンドをオススメしたい。

つまり、これはあくまで個人的な感想でしかなく、しかも精神と胃が疲弊した状態での大雑把な結果であることを心に留めておいてほしい。


本当に「とりあえず」といった感じの暫定順位です。

それにしても、上位5番までが全て油漬けのツナ缶だったのが我ながらすごい。「そんなに油が好きか」と半ば呆れ、どんなに疲れていても油を感知する能力だけは衰えないことに感心しながら、もう二度とこのような試みはしないことを、ここに誓います。

ああ、食べ過ぎて気持ちが悪い…。


一人でサンドイッチ10種類は無謀でした

食べてから数時間もしたらあっけなく復活したので、残ったサンドイッチをもそもそと食べながら、この原稿を書いた。

食べるたびに「あ、やっぱりこっちの方が好きだ」とか「これもよかったな」と感想がコロコロと変わる。そりゃそうだろう、と思いつつ、だとしたらこの記事自体の意味がないというイヤな事実にも気付かされつつ、いろんなことをうやむやにしたまま終わりにしたい。

いや、ツナ缶は油漬けと水煮とでは、全く別物といっていいほど味に違いがあった。それが分かっただけで今回は良しとしよう。それが分かるのに10缶も必要ないってことも、ついでに分かりましたが。

しばらくツナサンド漬けの日が続きそうです。

< もどる ▽この記事のトップへ  

 
 
関連記事
おにぎりの“具なし領域”を計測する
地味に種類の多い食べものと向き合う
シーチキンを手作り

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.