住宅街の公園には「○○公園」という名称が付けられている。 「本町1丁目公園」や「西町児童公園」など、地名だけの公園もあるが「なかよし公園」や「ふれあい広場」のように、親しみやすい愛称のような名前の公園も多い。 このような名称の公園は、はたして公園の雰囲気に即して名前が付けられているのか、あるいはただ何となく「ふれあい」とか「なかよし」などと名付けられているだけなのか、そのあたりのことを調べてきた。
(工藤 考浩)
同じ名前の公園が多い
まずは、東京都内にある公園の名称を調べることからはじめた。 「公園情報センター」というサイトに「東京23区公園全情報全データ」というすばらしい一覧があったので、これを利用して公園の名称の傾向を探った。 「さくら」、「いちょう」などの植物系のほか、「わんぱく」、「いこい」など抽象的な名前の公園も目立った。 そのなかから、同じ名称で複数の公園がある「ふれあい」、「なかよし」、「どんぐり」という公園を巡って、公園が名前に即しているかを調査しよう。
まずは「ふれあい公園」
先ほど紹介したデータを見ていて、まず目についたのが「ふれあい」という名前の公園だ。 ありがちな名称ではあるが、名前の傾向を知るにはむしろこれくらいありふれた名称の方が調査しやすいのではないだろうか。 まずは「ふれあい公園」を調査し、その公園がはたしてどれくらい「ふれあえる」のか確認してみよう。
板橋区の西台ふれあい公園
最初に調査するのは板橋区西台の「西台ふれあい公園」だ。 大きなマンションに隣接している。 広い公園ではないが、まだ新しいのか、きれいな印象だ。 平日のお昼ということで、公園には誰もいなかったが、ここが「ふれあい公園」だといわれればそう思えるし、ちがう名前でたとえば「つつじ公園」だといわれたらそうかなと思うだろう。 つまり、この公園から積極的に「ふれあい」を感じることはなかった。 可もなく不可もなくといったところだろうか。
練馬区の北町ふれあい公園
つづいてのふれあい公園は東武東上線東武練馬駅の近くにある北町ふれあい公園だ。 この公園は地下部分に防火水槽が設置してあるらしく、最近整備された公園だ。 ちょうど小学校低学年の下校時間だったので、子供たちが友達同士で滑り台を滑る姿が見られた。 友人同士がふれあっていると見ることもできるが、そもそも公園とはそういう場所だろう。 あ、いやなことに気づいてしまった。
大田区の千鳥ふれあい児童公園
東急池上線千鳥町駅にほど近い千鳥ふれあい児童公園。 この公園は装飾は施されているが「土管」のある公園だ。 昔懐かしい土管とふれあえるという点では、ふれあい度数は高い。 それはさておき、この公園はいたるところに「ゴミは持ち帰ろう」という掲示がされている。 土管があることよりも、そっちの方が気になった。 ゴミ持ち帰りの看板とふれあえる公園でもある。