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ちしきの金曜日
 
「活弁士」というお仕事

アニメでなく本業の活弁も盛り上げたい!

現在ではもちろん「活弁士」として活動してるわけですが、テレビやDVDの声優としてのお仕事もこなしている坂本さん。特にフラッシュ作家さんからのご指名が多いのだとか。

−−本業の活弁の仕事は今どのくらいのペースでやられてるんですか?

「古典の活弁は、時期によってまちまちですね。秋から年末・正月は忙しいです。秋は文化祭の類で、年末は忠臣蔵とか」

−−名が知れた活弁士が最近は出てきて、メジャーになってきてるんじゃないですか?ジャンル自体。

「僕は全然知られてませんけれどね。それに活弁はピン芸だから、個人個人で盛り上がってる感じで、活弁という芸能自体がブアーッと盛り上がってるわけじゃないと思います。僕も今『アニメ活弁』が本業のように思われている所がありますが、やはり古典の方も負けずに盛り上げたいという気持ちはあります」

−−アニメの方が目立つんじゃないですか?

「たまーに、テレビの方からお誘いが来るんですけど、僕、アニメ一人で作ってますのでね。テレビ向けのネタを作るのは、時間的にも身体的にも精神的にもなかなか難しくて。声だけやブレーンとして参加させてもらうくらいの方が。声は声で、台本どおりやらなかったりして困らせてるんですけど」

−−他人にストレス与えちゃダメですよ(笑)。

「古典が固くて、自作アニメがイカレてて笑)。中間が必要なんですけどね‥。でも今、ある漫画家さんに活弁用の作品を作ってもらってるんです。それは一般公開出来る内容……の予定なので」

一般で面白いのと一般で流せるのは別‥だわな、やっぱり。

「本業の活弁」と「自分のアニメ活弁」は別、と言う坂本さん。しかし活弁士がメディアに出ることで、活弁という言葉は昔以上に気になる存在になっているのは事実。そりゃ今の映画なみに活弁映画の劇場が出来ることはないだろうが、じわじわと認知は増えてるはず。実際、アニメを見たお客さんのリクエストで古典の上映会をやることもあるのだとか。

−−では、もし今後活弁をやりたいという人のためにアドバイスを!

「えっ、そりゃ難しいなあ……まずは映画が好きじゃないとダメ。無声映画は勿論ですが、出来れば年代、ジャンルを問わず、沢山観た方が良いと思います。あとはデスクワークが好きじゃないと無理です」

−−台本は自分で考えなきゃ、って言ってましたもんね。

「そう。台本書いたり調べものしたり。あと、仕事を増やす為には活弁だけが好きじゃ駄目なんでしょうね。自分の場合は水木しげる先生とか声帯模写が好きだったりしたのが、活弁とは関係ないようで、結果的に繋がってますからね」

−−無声映画なのにトーキー以降の役者のモノマネが上手い、って普通だと関係ないですからね。

「あとはお年寄り好きな方が良いかもしれない(笑)。高齢の方対象の仕事が多いから。それと最近の持論ですが『活弁士ならではの雰囲気』ってのが持てると良いよなあと思うんですよ。ある趣の古めかしさ。無声映画、活弁士を知らない人にも、何故か妙に懐かしい感じを抱かせる事の出来るような雰囲気。どこかにそれがないと、どうも別のジャンルのものに思われそうで」

−−落語や講談みたいな古典芸能は最低限の守るべきラインてありますよね。

「あまり表面的なことだけ気にしてもいけないんでしょうが……とにかく、活弁士である自分に酔わないと、お客さんを酔わせることも出来ないだろう、と。僕もちょっと前までは照れが
あったんだけど」

将来の目標は「徹子の部屋に出ること!」という坂本さん。ぜひこのまま活弁の世界を盛り上げてもらって、小沢昭一センセイあたりに気に入られてもらって出演!てな流れになってほしいもんです。

映画好きならぜひ一度は見て欲しい、よくある言葉でいえば「古くて新しい」。でもそれだけでなく「かっこいい」とか「懐かしい」とか「いかがわしい」とか‥ともかく新鮮な体験が味わえますよ!

ちなみに「サザザさん」は新作も続々。

まさに外道!のあのアニメにも

坂本頼光さんのライブに関しての情報は公式ブログ「活弁士の分家」をご覧ください。ぜひ生で!また最近の活弁以外のお仕事では、フラッシュアニメDVD『地獄甲子園』に出演とのこと。こちらもぜひ!


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