エイヒレのひれ酒
最後にヒレといって忘れていけないのがエイヒレである。酒のつまみに最適なエイヒレなんだから、ひれ酒にしてもうまいはずだ。
しかし市販のエイヒレは、残念ながら味が付いてしまっていてヒレ酒には向いていない。そこでエイが釣れた時に(年に数匹釣ってしまう)、そのヒレを干しておいたのだ。こうやって冷凍庫に変な食材が溜まっていく。
エイという魚はホンオフェ(記事参照)にするとすこぶる臭いが、新鮮なうちに料理したり干したりすると、ぜんぜん臭わない美味しい食材なのだ。
これは今までのひれ酒と明らかに違う味になった。
ダシが強く出ているという感じではないのだが、もちろん日本酒にエイヒレの焼けた香ばしさがプラスされている。そしてなにより、ちょっとだけ片栗粉を溶かしたような喉越しがおもしろいのだ。
エイという魚は煮凝りを作れるくらいにコラーゲンを有しているのだが、それが日本酒に溶けだして、独自のとろみを出している。これフグとは違う方向性であたりのひれ酒である。
ところでこういう読者側に再現性のない料理って、味の感想を適当に書いてもばれなそうなものだが、今日書いていることは全部本当である。いや、いつだって本当である。
トビウオくらいだったらスーパーでもたまに売っているので、あの飲みづらさを、ぜひ皆さんにも体感していただきたい。
わかったこと
いろいろな魚でひれ酒をためしてみて、いろいろとわかったことがあった。
ぜひ参考にして、ひれ酒ライフを堪能していただければと思う。