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はっけんの水曜日
 
いろいろな魚でひれ酒を試してみた

エイヒレのひれ酒

最後にヒレといって忘れていけないのがエイヒレである。酒のつまみに最適なエイヒレなんだから、ひれ酒にしてもうまいはずだ。

しかし市販のエイヒレは、残念ながら味が付いてしまっていてヒレ酒には向いていない。そこでエイが釣れた時に(年に数匹釣ってしまう)、そのヒレを干しておいたのだ。こうやって冷凍庫に変な食材が溜まっていく。

エイという魚はホンオフェ(記事参照)にするとすこぶる臭いが、新鮮なうちに料理したり干したりすると、ぜんぜん臭わない美味しい食材なのだ。


カラカラになるまで干したエイのヒレ。市販のものとはだいぶ違う状態になった。 エイヒレを少し切って、炙って熱燗を注ぐ。

これは今までのひれ酒と明らかに違う味になった。

ダシが強く出ているという感じではないのだが、もちろん日本酒にエイヒレの焼けた香ばしさがプラスされている。そしてなにより、ちょっとだけ片栗粉を溶かしたような喉越しがおもしろいのだ。

エイという魚は煮凝りを作れるくらいにコラーゲンを有しているのだが、それが日本酒に溶けだして、独自のとろみを出している。これフグとは違う方向性であたりのひれ酒である。


やられている本人が気付かない一発芸その2。結婚式の沢尻エリカ。

ところでこういう読者側に再現性のない料理って、味の感想を適当に書いてもばれなそうなものだが、今日書いていることは全部本当である。いや、いつだって本当である。

トビウオくらいだったらスーパーでもたまに売っているので、あの飲みづらさを、ぜひ皆さんにも体感していただきたい。

わかったこと

いろいろな魚でひれ酒をためしてみて、いろいろとわかったことがあった。

  • ちゃんと乾かしたヒレなら、大抵の魚はひれ酒が楽しめる。
  • しかし魚によっては、ひれが目に刺さる場合がある。
  • 酔った時の一発芸は、シラフでみるとどうかと思う。
  • ヒレがいけるなら鰹節もいけるのではと思ったが、それは焼津割だ。
  • 引っ越し直前に深酒をしてはいけない。

ぜひ参考にして、ひれ酒ライフを堪能していただければと思う。

全部のヒレを入れたら、ラーメン屋の「全部乗せ」みたいになった。

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