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フェティッシュの火曜日
 
世界で二番目に臭い料理、ホンオフェを作りたい
ホンオフェ、すごそうだなあ。

 友人から「くさいはうまい」という小泉武夫著の本を借りた。読んでみると、世界中の臭い食品の匂いと味が書かれていて、どれもとても興味深い。

その中でも特に気になったのが、「ホンオフェ」という韓国料理。「ホンオ」はエイ、「フェ」は生肉。直訳するとエイの刺身ということなのだが、ただの刺身ではなく、強烈にアンモニア臭い刺身なのだという。韓国ではホンオフェは高級食材で、一部地域では冠婚葬祭に不可欠らしい。

韓国にいってまで食べてみようとは思わないけれど、作り方を見てみると自分で簡単に作れそうなので、ホンオフェを自作して、その強烈な匂いを体感してみたい。

※全面的に危険ですから絶対にマネしないでください。

(text by 玉置 豊




ホンオフェの作り方

「くさいはうまい」の本によると、「大きなエイを皮付き状のまま厚手の手漉き紙に包み、大きな甕に積み込んでいきます。」とある。そしてそのまま冷暗所で10日ほど保管すればできあがりらしい。

同じ友人からまた借りた「もやしもん」という漫画にも同様の記述があった。彼はどうしてもホンオフェが食べたいらしい。

ようするにエイを放置しておけばいいらしいのだが、問題は新鮮なエイの入手である。

あまり魚屋さんでは見かけないので、「エイがもし釣れたらやってみようか」と、本を貸してくれた友人と冗談半分にいっていたのだが、ウナギ釣りの外道であっさりと釣れてしまった。


あら、釣れちゃった。

釣れたのはアカエイ。本当はガンギエイという別の種類のエイで作られるようだが、今回はこいつでチャレンジしてみることにする。

ちなみにこのアカエイという魚、尻尾にシャレにならない毒針があって、それに刺されると死ぬ場合がある。釣ったり見かけたりしても、決して触らないようにしていただきたい。

私がいってもまったく説得力が無くて恐縮だが。



下拵え

尻尾を切り落としてからアカエイを持ち帰ってきたのだが、さて、これからどうしよう。

エイは洗った方がいいのだろうか。内臓も丸ごと発酵させていいのだろうか。ホンオフェの詳しい作り方がよくわからない。仕方がないのでここから先は勘を頼りに進めていく。

まずはヌメリがあるので、タワシでよく洗ってみよう。


けっこうヌメリが強いですが、この時点では特に臭くないです。

身だけを使うか、内臓ごと丸ごと使うかでとても迷ったのだが、せっかくなので丸ごとビニール袋に入れて発酵させることにした。

発酵中に強烈な臭さと書かれていたホンオフェの匂いが漏れてしまうと、このご時世シャレにならない事態になる恐れがある。そこで、ビニール袋に入れた上にリスクヘッジとして無香タイプのファブリーズを置き、さらに二重にビニール袋をかぶせることにした。


「食べ物のニオイをしっかり消臭」だそうです。 がんばれファブリーズ。


ベランダで発酵させる

しかしそれでもまだ不安なので、これをさらにフタつきのポリバケツに入れる。文字通り、臭いものにはフタだ。そしてガムテープで目張りをして、漬物石をドーンと乗せる。ここまですればいくらホンオフェでも匂いがもれることもないだろう。

この状態で日陰になるベランダで放置。これでこの気候なら一週間くらいでちょうどいい発酵具合になるはずだ。なにをもって正解なのかがよくわかっていないのだが。


ここまですればきっと平気。

ホンオフェを仕込んで三日後に恐る恐るバケツの上から匂いを嗅いでみたら、これだけ厳重に梱包したのに、それでも悪くなったぬか漬けみたいな匂いがプーンとした。

大丈夫かこれ。


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