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フェティッシュの火曜日
 
日本一寒い夜を過ごす・しばれフェス09

中は4人は寝られないくらいの広さか。断熱材などをしいて防寒準備をする。
「はい、梅ねり。(そういうお菓子)」精一杯楽しもうとする

いよいよバルーンに入り防寒準備

バルーンと呼ばれる氷の部屋は暗く狭い。「かまくらって思ったよりあったかいんですねー!」というテレビのイメージに腹を立てる。あれうそ。寒さ申し分なし。

一番下にダンボールやプチプチなどの梱包材、その上にアウトドア用のシートを敷くと地面の冷たさはかなり和らいだ。靴下でも歩けるくらいなので、これはいけるかもしれない。

しかしひまで寒い

しかしやることがない。おなかが空いては、と思いお菓子を持ってきたが寒いので冷たいものを食べたくない。

「トランプ持ってきましたよ」と小柳くん。でかした!という歓声が上ったのだが、誰も封を開ける気配がない。

なんでこんな寒いのにトランプやらないといけないんだ、という気持ちが差し伸ばした手を止めるのだ。第一トランプも冷たい。

やる気がでないので何もしない。ということでひまだ。外に出るとより寒い。しかしじっとしてるのも寒い。だから何もする気がない。

寒さを楽しむってどういうことなのかな、と本気で悩んだ。


パンにチョコレート、トランプ…娯楽を並べてみたのだが
「あっ。遭難する。」と我々に思わせる何かだった

とりあえず一旦寝てみよう

パンが凍っていた

持ち込んだあんパンが凍っていた。ためしに食べてみるとシャーベット状になっていた。

「これ意外とうまいね。」
「あ、アイスまんじゅうみたいだ。」
「こういうお菓子だと思えば食べられなくもないですね。」

凍ったあんパン食べて意外とうまい。マイナス10数度。何だろうこの貧乏な感じは。ひま。寒い。貧しい。不幸。

とりあえずこの負のスパイラルをとめるためにもう寝ることにした。これでぐっすり寝れたらもう耐寒達成じゃないか。


30分後、寒さのあまり飛び起きた。隣の小柳くんは寒さで寝られなかったという。
気温は…マイナス13℃!意外といってない!

起き掛けの寒さといったら。命の火にあたり生命を実感する

休憩室はカラオケ大会終わりの人で盛況
前回の大会レポートでも登場した全部「つめた〜い」の自販機。隣の人もゆびさして笑っていた。

室、最高

火にあたるだけでは我慢ができなくなって休憩所に入る。室内は本当に最高、室ってすばらしい、室、ああ、室ー!とメモを書いた。

「室内とか火とかっていいっすよね」「忘れてたそういうことに気づかされますよね」と小柳くんもいつになくまともな意見を言う。

こうして寒さがおもしろを剥ぎ取り、我々を真面目にさせていく。募金がしたかった。何でもいいから募金とかいいことしたい気持ちだった。

大掛かりなスナックか

休憩所はお酒の匂いのした参加者たちでいっぱいだったが、どうやら隣の大部屋でカラオケ大会が行なわれていたようだ。カラオケを歌って点数が低いと青汁飲まされたりするらしい。

世代の違いなのか、地域性なのかわからないが、ノリと言われる楽しみ方のようなものが違うと思った。違う文化の人たちなのだと思った。

行ったことのない、スナックというものに対する距離と非常に似ていると思った。

そういえばバルーンの周りではみんなバーベキューをして見知らぬ人同士で楽しんでいた。あれは何か違うよね、と横目に見ていた。

学校のイケテナイ人たち。それが私たちだった。


思い切ってワーッ!とやってみるも、これは何か違うなと思わされた。
 
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