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フェティッシュの火曜日
 
日本一寒い夜を過ごす・しばれフェス09

「バドミントンやりませんか」その言葉に感電死するかと思った
口では性質の悪い冗談を、しかし体は横っ飛びでシャトルを追った小柳くん。不器用な若者。

しかしそこに奇跡!

「バドミントンやりませんか?」外に出ると女の子が声をかけてきた。来た。ビッグウェーブだ。

しばれ中学暗黒部所属の私たちが在学中を通じて一回来るか来ないかのチャンスである。ああ、あのときやっておけばなあ、というあの思い。人生に二度目があった。

だが、人生に二度目はなかった。やはりうまく乗れなかった。若いんだからお前行け、と差し向かわせた小柳くんは「福岡から来た」「34歳だ」(我々にしかわからないウソ)という性質の悪い冗談をかましながらバドミントンをしていた。

いや、もっと悪いのは私と石川だったかもしれない。写真撮影にいそしむフリをして、居心地悪そうにしてしまったのだ。

記事ってこんなこと書くところだったか

「ロッチはどこから来たの?」と言われてハッとした。「ごめん、あたしたちの間で登山者っぽいからロッチってあだ名をつけてたんだ」来た!『Boys Be …』(※)だ!

ロッチ!なんてすばらしいあだ名だろう!山小屋の意のロッジじゃなく?かわいらしく崩したこの距離感?うんうんうんうん、いいよいいよ、ロッチって呼んで!

そんな思いをシナプスでスパークさせながら返した言葉が「へぇ…ロッチね…」なのである。これほど心性に潜む私のいけずを恨んだことはなかった。いけず!私のいけず!

小柳くんも口ではああ言っていたが、体は横っとびになるほど懸命にシャトルを追っていた。ああ、あいつもいけずなんだな。

※十数年前に週刊少年マガジンに載ってたモロ恋愛漫画


いい人たちだったなあ

もう帰ります、とこちらから言うと、楽しかったです一緒にバドミントンしてくれてありがとう、とお礼まで述べられていた。

あれはスナックだとか、ノリがちがうよねとか、あれだけのことを言っていたのに向こうから歩み寄ってきてくれて最後に「ありがとう」だった。

もう完全に「降りてきていただいた」状況で、本当に中学高校のイケテない時分にタイムスリップした気分になり泣きたくなった。


「一緒にやってくれてありがとう、楽しかったよ」というありがたい言葉をかけてもらい、人間的に負けた気がした

何か我々もレクリエーションを

やはりバルーンに戻っても暇だったのでろうそくに火をつけることにした。室内の照明になれば、と多く持ってきたのだが、室内の火気は禁止されてしまっていたのだった。


小さなアルミのカップに入ったろうそくに火を。ひまだから。
50個入りだったので全部つけてしまおう

「ワーキレイ」

「ぼくたちのバルーンだけワーキレイ」と日当たりの悪い中学生3人が
 
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