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ひらめきの月曜日
 
土管のある風景


その公園は練馬区にあります

石神井公園駅といえば、石神井公園であるが、僕が目指すのは「三原台ののはな公園」。先ほど電話で問い合わせた土管公園だ。

駅からはちょっと遠いようなので、タクシーに乗ったのだが、地元の運転手さんも「ののはな公園なんてあったかなあ・・・」なんて言う始末。

とりあえず住所を頼りに向かってもらった。


メジャーな石神井公園にはあえて背をむけて

運転手さん、ののはな公園までやってちょうだい

まさに原風景

タクシーで5分、到着した公園はまさに僕が思い描いていた風景そのものだった。とりあえず見ていただこう。

土管ドーン!

この公園、これが全てである。遊具は土管のみ。超無骨!

しかも、この土管がまたでかいのだ。全長3メートルはある。
どこか恐竜っぽさも感じさせるこの土管、とりあえず上に登ってみる。

土管に寝そべると、ダメな大人感が漂う。しかしデカイな

遊び方がわからない

はじめて来た場所なのに、どこか懐かしく思える。マンガによって構築されたイメージとリアルがいま完全に一致した。

ただ、念願の土管にたどり着いたはいいが、遊び方がよく分からない。のび太にならい、ふて寝してみるが、ふてくされるような不満がとくにあるわけでもない。

中をくぐってみたら、内部は落書きがひどくて萎えた。


どうやって遊ぶんだい?

「死」って書いてある

公園の遊具としては、アミューズメント感のかけらもない土管。かくれんぼでもすぐに見つかってしまう。

子どもたちがどう遊ぶのかを観察したかったが、土管には全然無関心だ(おっさんが土管を占拠していたから寄り付かなかっただけかもしれないが)。

まあ中にこんな人いたら近寄れないか

子供は遊びの天才、とはよく言ったものである。きっと現役の子供ならこの土管を駆使して大人では思いもよらない遊び方を思いつくのだろう。

インターネットを駆使して行きたい場所に行ける大人にはなった。しかし土管で楽しく遊べるクリエイティビティは失ってしまった。僕はもうのび太ではないんだね・・・。


土管がんばれ!

当初は、いろんなタイプの土管を巡ってみて「あら、おしゃれね」とか「あらカラフルね」なんて比べて楽しむつもりだったが、アタリをつけていた土管がほとんどなくなっていて、それができなかった。

まさに絶滅危惧遊具。この練馬区の土管だっていつか撤去されてしまうかもしれない。いつかの東京新聞に「公園土管、どかんと減少」という記事が載っていたが、それによると安全性やデザイン面から全国の土管が絶滅の危機を迎えているというのだ。

それは土管に限ったことではなく、例えば自分が小学校の頃はよく見かけた「ガッタンブランコ」と呼ばれる箱ブランコは、危険な遊具としてほとんどの公園から撤去されてしまった。

子供たちの安全はもちろん最優先に考えるべきだが、自分が遊んでいた思い出の遊具が消えてしまうのは寂しい限りです。

遊び方は思いつかなかったが、背筋を伸ばすという利用法を思いついた。楽しみでなく実用性を見出すあたりが大人力

 
 
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