いつの間にか誰かが着ていたようで、集落の入口近くの民家の横に見知らぬ車があった。
自分の他に人がいるということに安堵感を覚える反面、少しだけ不気味にも思う。
薪を運ぶがてら、その車がある民家の様子をちょっとだけ伺ってみると、
そこには楽しげに炊事を行う親子連れの姿があった。
なるほど、どうやらこの家族も本日の宿泊者であるようだ。
薪小屋の鍵を開けたのも、きっとこの人たちなのだろう。
と、その時、その家族のご主人と目が合った。
微妙な雰囲気の中、私は軽く会釈をし、そそくさと自分の民家へ帰っていく。
同じ場を共有するということで妙な親近感を覚える反面、
ちょっとばかり気まずくもある今日この頃だ。 |