しまなみ海道はいいところです
サンライズ糸山のトイレで野球部のユニフォームに着替えた。デイリーはよくトイレで着替える。野球のユニフォームは2着しかないので藤原はサッカーのユニフォームを着てもらった。
「ひとり間違えてるやつがいる」というつもりで持ってきたのだが、細長い藤原にサッカーのユニフォームがしっくり似合ってしまった。しかしここまできてあんまり面白くないとは言えず、黙っていた。
橋の上で自転車に乗って写真を撮る。しまなみ海道は気持ちがいい。自転車で渡ることができる橋を造りたくなる気持ちも分かる心地よさだ。
しかし普通に観光みたいなことをしていても変わった服装をしていると企画っぽく見えるのは発見だった。
瀬戸内海に小さな島が見えた。デジカメのフレームに余裕で入るぐらいの島だ。 海がすごくきれい。佐賀でも海がきれいだった。きれいな海ってそんなに珍しいものではなく、汚い海のほうが珍しいのかもしれない。
釣り船に手を振ったが無視された
藤原は言われたとおりに写真を撮ったり、言われてないカップルの写真を撮ったりしていた。藤原の両親は息子が泊まりで出かけてくるといえばデートだと思っているかもしれない。
でもこうやってユニフォームを着たおっさん二人の写真を撮らされている。 ときどき藤原も正気に戻っているかもしれない。 いったい僕は何をやっているのだ? と 野球のユニフォームを着ていると何でも面白いのだが、どこでおわらせていいのかがわからなかった。 着地点がみえない。
着地点が見えない
そんなかっこうしてるから地元の人かと思った
観光と思われる女性にこの辺においしいうどん屋さんはありますか?と聞かれる。 僕らも観光客なのでよくわかりませんとスポーツマンシップにのっとり堂々と答える。 「そんなかっこうで自転車乗ってるから地元の人かと思った」 とのこと。地元の草野球チームがはしゃいでるように見えたのだろうか。
僕らも観光です
自転車を戻してタクシーを待っていると少年野球のチームとすれ違った。 「こんにちは」「こんにちは」 そう口々に言われた。仲間だと思われている。
「なんだか悪いですね」 と住さんがいっていた。縁がないと思っていた体育会側に入った気がして少し嬉しい。向こう側。きみたちもがんばりたまえ。
タクシーでホテルに戻った。 帰りのタクシーの運転手も巡回バスでタオル美術館に行けといっていた。おみやげが充実しているそうだ。やっぱりおみやげもタオルなのか聞くと 「なんでもありますよ。乾物とか」 だそうだ。乾物かー。