鶏ガラは最後まで楽しんでから
鶏ガラは、もちろんダシを取るためにある。ダシを取ったら捨てられても文句は言えない存在なことは承知の上だ。
でも私にとって鶏ガラは「お楽しみ」な食べ物でもある。
それというのも子どもの頃、夕食を作る母に「腹が減った」と催促すると、ダシを取った後の鶏ガラをドーンを渡されていたのだ。
それに塩をパラパラと振り、骨にへばり付いた肉を指でほじって食べ、夕食までの空腹を癒す。
冷静に考えてみると野生の動物じみた行動だが、非常に懐かしい。あれを大人になった今、もう一度やってみたらどうだろう。
ゴミの量を少しでも減らしたいと思っている方は、騙されたと思って一度やってみてください。鶏の骨格に詳しくなること請け合いです。
いやー、久々に味わったが、やはり内臓付近のワケの分からない肉片がいい味を出している。野生のチーターなども捕獲した動物の内臓から先に食べるというが、大変納得できる話だ。あそこ、うまいんだよねぇ。気持ちわかるわ。
ササミのスジはどうだ
肉屋で鶏のササミを買う時は「スジを取ってください」と頼むことにしている。スーパーのパックでも「スジなし」と書かれたものを買うことが多い。それというのも、スジ取りが苦手なのだ。
スジありを買った場合は、取ったスジを躊躇することなくゴミとして扱っていたが、果たしてそれでいいのだろうか。だって考えてみてほしい。鶏の軟骨は好んで食べられているというのに、たかがスジという理由で捨てていいのだろうか。
ここは私が代表して食べてみることにしましょう。
これはスジといってもスナップエンドウとはワケが違った。このスジはいいスジだ。
ササミと一緒に口に入れると「ん？」と違和感のあるスジだが、単体で食べると、コリコリとして非常においしい。
スジだけ大量に食べたいくらいだ。誰か格安で売ってくれないだろうか。鶏を扱っている業者は、これからはスジに着目するべきだと思う。売ってくれたら私が買う。
これからは捨てませんとも。スジ。
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