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はっけんの水曜日
 
初乗り100円のタクシーがある

石出さんとベロタク。

これがベロタクシーだ

実際にベロタクシーに乗せてもらうことにした。今回運転してくれるのは新人ドライバーの石出さん。富山県出身29歳。


今回はよろしくお願いします。
「あ、こちらこそよろしくお願いします。」石出さんは腰が低い。ベロタクシーのドライバーになってまだ10日なのだという。

どうしてベロタクシーのドライバーになろうと思ったんですか。
「私は以前自衛隊でパイロットをしていたんです。ご存知の通り戦闘機は排ガス出しまくりなんですね。で、今度は徹底的に環境に優しい乗り物に乗りたくなってベロタクシーに。」丁寧な割りにすごい極端な人だ。

ベロタクシーのドライバーを始められて、実際どうですか。
「本当のところ仕事という認識がないくらいに楽しいです。ベロタクシーは車のタクシーと違って人との出会いが密な気がします。乗られる方も単に移動手段というのではなく、楽しみながら乗って頂いているようです。」

確かにすごく楽しそう。それではいよいよ乗せていただこう。


これが客席。
ちょっとした殿様気分。

 

さりげない心遣いがうれしい。

いよいよ乗り込みます

客席は大人が2人ゆったりと座れるくらいの広さがある。座席にはクッションもあり深めに腰掛けると偉い人になったような気分になれる。だけど外から見るとかぼちゃの馬車だ。

「よろしかったらこちらをどうぞ。」石出さんはさりげなく毛布を貸してくれた。沖縄とはいえ今の時期、素通しのタクシーに防寒具はうれしいサービスだ。

内部はこんな感じ。すぐそこに石出さんがいる。

「それでは出発します」チャリンチャリン!というベルの合図(これも手動)に続き、車体がぎこちなくもゆっくりと加速を始めた。客席と運転席との距離がすごく近いのだけど、二人乗りという感覚ではなくちゃんと客室感がある。

チャリンチャリンとベルを鳴らしながら。

ベロタクシーは車道を走る。危なくないんですか。

「これまでに事故らしきものは一件もありません。車が道を譲ってくれたりとか、タクシーの運転手さんは声をかけてくれたりもします。」

走行中は道路の凹凸に合わせて客席もカタカタと揺れる。車と違って「走ってる」という感じがダイレクトに伝わってくる。遅いけど。

那覇の町を走るベロタク。
曲がるときには手信号。

 

戦闘機よりも合っている。

とにかく楽しそうです

そういえば代表の高江洲さんも言っていた。「お客さんはもちろんのこと、ドライバーも楽しんで運転できるのが一番だと思うんです。」その言葉の通り、石出さんはすごく楽しそうに僕を運んでくれた。およそ先日まで戦闘機に乗っていたとは思えない笑顔で。




 

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