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チャレンジの日曜日
 
知ったかぶり満載! 横浜現代アート体感記

続いて「ZAIM」という建物へ

ほんの一部しか紹介できなくて残念だが、大いに盛り上がっているトリエンナーレ会場を後にし、旧関東財務局をリノベーションした建物、ZAIMに向かった。


ZAIM(旧関東財務局) 
来場者が自由に本を読めるスペース「横濱書園」

ZAIMは、言ってみればトリエンナーレの秘密基地だという

内沼「ZAIMはトリエンナーレの出展作家の24時間使えるスタジオのようになっていて、トリエンナーレ・ステーションと呼ばれているんです。言ってみればトリエンナーレの秘密基地ですね」
梅田「え? ここは24時間使えるんですか?」
内沼「作家やスタッフのかただけなんですけどね。外国からのアーティストがたくさん大部屋で休憩していたりして、夜は異様な雰囲気になるそうですよ」
梅田「すごい! オリンピックの選手村みたいですね」
内沼「ええ。各国の言葉が飛び交っていて、しかも自らの芸術論を語ったりするものだからすごい雰囲気みたいですよ」

世界中のアーティストが母国語で芸術論を語っているざこねの大部屋。確かに想像しただけですごそうだ。さすがに取材許可が下りなかったが、できる事ならその光景を一度でいいから覗いてみたい。

また、この建物内には横濱書園という無料のブックルームがあって、美術系の書籍が読み放題だそうだ。横濱書園はインターネットのADSL設備も用意されていて、オフィスとしても最適らしい。アイディアがたくさん降りてきそうな部屋だ。

またまたまたまた内沼さんの友達登場。

ここで再び内沼さんのお知り合いであり、以前11月16日のコネタにも登場してくださった「ブックルームエンカウンター」のスタッフ、川上さんとZAIMで個展を展覧会中だった児玉さんに偶然出会った。


ブックルームエンカウンター、スタッフの川上さん。本に遭遇すると必ずといっていいほど読みだす。
ZAIMにて個展を行っていた絵描きの児玉さん。(残念ながら個展は11月23日で終了しました)

すると今度は、トリエンナーレの“えらい人”登場。

すると今度はたまたまトリエンナーレステーションに顔を出していたキュレーターの芹沢高志さんというかたに遭遇した。
キュレーターとは、言ってみればディレクターのような存在。

今回のトリエンナーレを作った3人のキュレーターのうちのひとりである。まあ簡単に言えば“えらい人”だ。




キュレーターの芹沢さん。偶然お会いしたので今回のトリエンナーレの魅力を簡単に語っていただきました。

Q.今回の横浜トリエンナーレの見所は?

いい意味での大ざっぱ感を味わって欲しい。アーティスト個々の作品群はそれぞれの展覧会に行ったほうが完成度が高いんじゃないかな。完成度や緻密さよりも、お祭りだと思って気楽に楽しんでほしいかな。

Q.特におすすめの作品はありますか?

西野君かな。会場の外だけど。あれは面白いね。

 

芹沢さんおすすめ、西野達郎さんの作品

(作品) ヴィラ會芳亭
作:西野達郎 (横浜中華街内)


高級ホテルの一室に居るような風景だ。
もともとは公園の中にモニュメントだった。

梅田「この西野さんの作品はどういうものなんですか?」

内沼「まあホテルの一室に見立てた作品(左上の写真)なのですが、このホテルの一室の中にある中華風のモニュメントは、もともと公園の中にあるモニュメントだったんです(右上の写真)。その外側に後付でホテルの一室を作ってしまい、まるでこのホテルの一室の中にあるモニュメントのようにしてしまったのが西野さんの作品なんです」

梅田「ほー。すごいですね。でも、どんな意味があるんですか?」

内沼「まあ既存のものを取り囲むという作風の奇抜さもさることながら、公共的な空間(この場合公園)の構造物を私的な空間(この場合ホテルの一室)の中に入れる事によって、パブリックとプライベートの間の不条理な空間を作り出す、という事ですね」

梅田「なるほど」

説明を聞いてから作品を鑑賞するとまた違って見えてくる。しかしそれは単に僕が影響されやすい(流されやすい)人間だからかもしれない。



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