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特集


ひらめきの月曜日
 
10円寿司ってなんだ
こちらは、お持ち帰り寿司

古い映画を観た。1960年の日本映画だ。
舞台は銀座。主役はホステス。

自分の店を持とうと、不動産屋へ行った彼女はこう言われる。
「いい物件ありますよ。ただ、便所が一階の『10円寿司』と一緒なんですけどね」

…10円寿司? なんだそれは? 今で言うところの「立ち食い寿司」か?

この映画が作られてから45年。10円で寿司を作るとどういうことになるのか、実践してみました。

高瀬 克子


ちよだ鮨の基礎を作ったのが10円寿司だったとは

立ち食いから、お持ち帰り専門へ

45年前ならこれが10円寿司といったところか

10円寿司について調べてみた

まずは検索サイトで「10円寿司」と打ってみたが、見事に何も引っ掛からない。

…おかしい。45年前とはいえ、映画のセリフで何の解説もなく出てくるほどメジャーな営業形態の店だったはずなのに、検索されないとは一体どういうことだ。ネットは古いものに弱いのか? 図書館にでも行って調べなきゃダメなのか?

そこで、10を漢字に直し「十円寿司」で検索し直してみたところ、出てきました。

なになに?「愛媛県今治市に、25個で250円の『十円寿司』がある」…おお、これはこれで食べてみたいが、いま探しているのは、45前の「10円寿司」だ。

続けて「十円ずし」と、ひらがなでも検索。すると「中島水産という会社が1965年に10円で寿司が食べられる立ち食い形態を大ヒットさせ、ちよだ鮨の基礎を作った」という記述を発見。

おお、これのことだ! 映画の年と微妙に合わないのが気にかかるが、まず間違いないだろう。

さらに、時代小説家の山本一力氏が「蕎麦が一杯30〜40円の時代、銀座に1カン10円で食べられる寿司屋があった」と書いているサイトも発見。

昔の銀座には確かに10円で食べられる寿司屋があったのだ。それがパック詰めされたり、ぐるぐる回転を始めたりして、物価の上昇と共に10円が100円になっていった…というのが真相らしい。

 

いざ、買い出し

10円寿司のナゾも解けたところで、2005年現在の10円寿司を作ろうと思う。

さっそく、近所のスーパーへと買い出しに出掛けた。


マグロとタイの盛り合わせ
アジ。ヒカリモノは欠かせない
ホタテ、うまいですよね
まぐろすき身。大量です
イエメン産のイカ
タコ。最近高いですね
イクラ(本物)。偽物イクラの方が高いらしい
奮発しました、ウニ。
物価の優等生、タマゴ。

たぶんレジの人に「この人の家は、今日は手巻き寿司なんだろうな」と思われたであろうほどに、大量の刺身パックを購入。

さすがに、1人でこれだけの量の刺身を買ったのは初めてだ。しかも目的は手巻き寿司ではなく「10円寿司」作成のため、という事実。豪勢なんだか貧相なんだか、一瞬自分でも分からなくなるが、たぶんそのどちらでもなく「無駄」なんだと思う。

1,000円の折り詰めを買ってきて、それぞれを10分の1の大きさに切れば、目的の10円寿司が出来上がるのは分かる。だが、それでは私の気持ちが収まらない。

さっそく刺身を10円分の大きさにカットしていこう。


 

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