大繁盛だったらしい
午後も3時くらいになると、人の往来もより繁くなってきた。その上、物珍しさも手伝って、型抜き屋の周りには常に人だかりができるようになっていた。
しかし、ここまででかなりのお客さんが来たにもかかわらず、1枚も型抜きは成功していない。ふつうは20人にひとりくらいの割合でお金を持って行かれるとのことなのだが。
持って行かれるとしても、せいぜい千円程度だというが、1枚100円の商売にはけっこう痛い。
ちなみに今までやってきた中で最年少型抜き成功者は小学校3年生だそうだ。小3といえば図画工作な青春真っ最中の年代(本当か)。大人も子供も関係ないのだ。
事前にデイリーポータルZスタッフにも告知していたので、ライターの皆さんも顔を出してくれました。
そういえば、掘っている人を見てるだけでも面白いのだった。ちまちまとじっと動かず掘っている人が、突然の板割れに遭い、「うわー!」と叫んですごいアクションをとるのだ。
たまにその突然さにびっくりする。そしてその動揺が、同じ台で戦う人の間にじわっと広がっていく。
童心に一番近いところにいると思われる集団、デイリーポータルのライター陣にして、結果はまたもやゼロ。
来ていただいた皆さん、(つぎこんでいただき)ありがとうございました。
そして営業はまだまだ続く。成功者は依然としてゼロのままです。
成功するには、だいたい2時間かかるそうだ。ガーン。サグラダ・ファミリアでも作る姿勢でのんびりやらないと。でもあの台に向かって長時間しゃがめないし、ベニヤのクッション性が微妙な作業の邪魔をする。ああ、もしかして掘りにくくしているのか。やりますな、お代官様。
針も、垂直でなく、水平に薄っすらとこすりながら掘り下げていくのがいいのかもしれない、が、違うかもしれない。
今度、問屋に行って練習用に1箱買ってこよう。
結論・「型抜きは楽しい」「屋台を出すのは楽しい」、つまり「型抜き屋をやるのは楽しい」。
今回の売り上げは1万円ちょっと。成功者が出なかったせいもあるが、かなりの売り上げだったそうだ。来ていただいた皆さん、ありがとうございました。
売り上げを別としても、あのテンションでならお店を出すのもいいなと思った。今度本当に自分で何か出店するかもしれません。
今回取材させていただいた有也さんにも感謝です。