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特集


ひらめきの月曜日
 
ハウツー都電貸し切り

1,なんか北のあたりを走る
2,都電として唯一現存する路線
3,貸切運転してくれる

私の都電荒川線のイメージである。都電にあまり乗ったことがない私だが、なぜか貸切運転をしていることは知っていて、これはわりと有名なようだ。

が、実際に貸切の現場を見たことはない。人に聞いても体験した人は見当たらず、ほとんど伝説みたいに思っていた。

そんなある日、11月に都電を貸切るという人に出会ったのだった。お願いして現場に立ち会ってきました。乗り物好きの血が、今、沸き立つ!(text by 古賀及子

都電に乗るってだけで貸切る前からちょっと嬉しい

なにやらものものしい注意事項

料金表も発見。貸切運賃 、 安いぞ!

CCCスタッフのお3方。左から天野さん、青木さん、山崎さん

山崎さんは線路沿いに走り……

都電に乗って都電の貸切現場へ向かう

貸切の当日は11月のある日曜日。薄曇りで夕方から雨という天気だったが「山手線が止まるほどの荒天でなければ」決行するとのことで勇んで出かけた。

貸切の案内をしてくれる方々との集合場所はズバリ都電の荒川車庫前、の、近くのファミレス。JRの大塚駅前から久しぶりに都電に乗り込んで向かう。都電は普通の電車で言うところの一両編成。専用軌道からときどき道路上に出ながら(信号で止まったりもする)、ゆっくり走っていく。

知らなかったが、都電ではバス共通カードが使えるらしい。首都圏近郊の私鉄や都営線などで使えるパスネットは使えない。電車でもない、バスでもない。こういう中間な感じの乗り物って何でこう魅力的なんだろう。

路線は早稲田から東池袋、大塚、巣鴨、王子、町屋のあたりを通って終点の三ノ輪橋までを結ぶ。ザ、下町をゆくのだ。それもまたグッとくる。

つり革につかまってそんな魅惑の路線図を眺めていると、隣には縦書きでレトロあふれる「お客様へお願い」の貼り出しが。それによると「車内持ち込み禁止の手回り品」はもろもろの危険物の他、暖炉及びコンロ、動物、そして死体などとのことです。よし大丈夫、持ってないぜ。

貸切は片道13,820円

隣には料金表も張り出してあり、貸切運賃も載っていた。都電を貸切る人にはこの料金表で貸切をやっていることを知る人も多いのだそう。

なお、値段は片道13,820円。片道はまるまる乗ると53分である。約1時間この料金で都電を独り占めできるのだ。安い。見ると本当、むやみに借りたくなってくる。

さてさて、今日お世話になるのは「CANAL CRUISE CLASSIC」(以下CCC)というイベントを主催する皆さん。CCCは不定期で参加者を募り、都電を貸切って車内でゆったり音楽を楽しんでもらうというイベント。けっしてむやみに貸切っているわけではない。イベントは2000年にスタートして今回がなんと7回目だそう。そう、彼らは貸切のプロなのである。

待ち合わせ場所に着くと、スタッフの天野さん、山崎さん、青木さんのお三方は未だ準備の作業中であった。にしても、イベント開始時間まであと1時間を切っている。

貸切ってそんな悠長なスタンバイで大丈夫なのか。不安を覚えつつもプロの皆さんを信じて準備を手伝わせていただいたくことしばし

「じゃあ、僕は先行って電車借りときますー」

突然、作業の手を止めて山崎さんがばたばたと走っていってしまった。ええ?! 慌てて後を追いかけた。

出庫の電車注意の看板を右折
荒川車庫へ。 おおー車庫だ、車庫だ!


 

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