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特集


ちしきの金曜日
 
ひまわり5号にさよならを


望遠鏡を操作するコンピュータのセッティングをする三島さん。

夜をまって観測を始める

午後8時ごろ、いよいよひまわり5号の観測の準備が始まった。

ぼくにとって天文観測は分からないことばかり。天文台のなかのようすや、自由に開閉して360度回転する屋根、望遠鏡を操作するコンピュータの画面など、見るものがいちいち新鮮で、びっくりする。

そんなふうに驚いているぼくのわきで、三島さんはたんたんと準備を進めていた。

星をみるためには、まずコンピュータに観測したい方角を入力する。最初この位置にあった望遠鏡が、

自動制御でぐぐーっと動いて、

こんなふうに適切な方角に向いてくれる。すごい迫力です。

 

ひまわり5号はどこか。
これは操作パネル。観測する方角は、望遠鏡をのぞきながら手元のリモコンで変えることもできるけど、より複雑な操作はこちらで行う。

天体観測は天候とのたたかいだ

いよいよ準備ができた。

じっさいに観測をするときは、左の写真のように部屋の電気を消してまっくらにする(なお、この写真は実際よりも明るめに調整しています)。

目的となるひまわり5号をいきなりさがす前に、まずは確認のため、肉眼でも見えるような明るい星の方角に望遠鏡を向けて、ちゃんと見えるかどうかを確認する。

まずはOKのようだ。

ところが、しばらくして急に空が曇ってきたため、視野から星が消えてしまった。

実は、倉敷には前日からお邪魔していたのだけど、その日は一日中くもっていたために、結局観測をすることができなかった。

今日も、夕方までは雨が降るような曇り空だったのが、夜になって晴れているのをみて、観測を始めたのだった。

ふだんから天体観測をしている方にとっては常識なのだろうけど、観測できるかどうかは天気しだい、ということを痛感する。

 

まずは観測しやすいものから

じつは、ひまわり5号をさがすのは、色々な理由でむずかしいことがすでに分かっている。

まずは、観測しやすい天体をいくつか見せてくださった。


これは火星。当日(10月30日)はちょうど火星大接近の日だった。

この日は、地球と火星が2年ぶりに最接近する日だったらしい。日が沈んですぐ、肉眼でも地平線ちかくに赤く輝く火星をはっきり見ることができた。

 

そしてひまわり6号の姿も

つぎに、いま気象衛星として働いているひまわり6号を見させていただくことができた。


すごく暗いけど、真ん中にとまって見える点がひまわり6号。
(マウスオーバーで動きます)


ひまわりは静止気象衛星というカテゴリに属している。地球の自転にあわせて約24時間で赤道上をまわっているため、地上からは止まっているように見える。

上のアニメでも、まわりの星は動いているのに、まんなかのひまわり6号だけがとまっているのが分かる。

そして次の画像はちょうどそのころにひまわり6号から撮影された地球の画像。ひまわりの高度3万6千kmを介した、やたら遠距離な写真の撮り合いになっている。


10月30日20時ごろに撮影されたひまわり6号からの全球画像。なお、この画像は財団法人日本気象協会のウェブサイトによるものです。

 

いよいよひまわり5号をさがします

といったところで今回の主目的、ひまわり5号の捜索がはじまった。うまく見つかるだろうか。

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