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特集


ひらめきの月曜日
 
高いシャケ、安いシャケ
果たして違いは分かるのか

いきなりですが、ここで問題です。

日本の一般家庭で食べられる魚介類の中で、最も消費量の多いものは何でしょう?

…正解はイカだそうです。

えー、というわけで、今回はシャケに焦点を当ててみたいと思います。理由は好きだから。順位だってマグロに次いで3位ですし。安いし。

と思っていたら、世の中には高いシャケもありました。ビックリしながらの食べ比べです。

高瀬 克子


おなじみのスーパー鮮魚売り場
「めかぶ」の隣に100円のシャケ。即買い
自分でビニールに入れてレジへ

庶民派代表、シャケ

私がふだん、一番食べる魚といったらダントツでシャケだ。スーパーでは「1円でも安いものを」と思いながら買っている。

というのも、シャケほど高いものと安いものとの差がない魚も珍しいと思うからだ。

たとえ100円のシャケであっても、一度として「マズッ!」と憤ったことはない。たとえ身は薄かろうと、シャケはシャケ。いつもお馴染みの味。

それは以前試みたコネタ「鮭のおにぎり徹底解剖」でも同様だった。18個ものおにぎりを食べておいて、まとめが「どれもおいしかった」とは我ながら情けないが、たとえ木っ端のような鮭フレークでも、私の舌は「マズイ」とは言わない。

そう、シャケは私を一度として裏切ったことのない、度量の広い魚なのだ。いいやつなのだ。律儀に生まれた川に戻ってくる義理堅さだけをみても、彼らのいいヤツっぶりが分かる。えらい。

そんなシャケに、高級品と呼ばれるほど「お高い」ものがあることは知っていた。ウワサによると、一切れ2千円もするらしい。

シャケ好きとしては、これは黙って見過ごせないだろう。いつもお世話になっている100円のシャケには申し訳ないが、デパートへと向かうことにした。

スーパーで済ませたくても、近所のスーパーには一切れ300円以上のシャケがない。

 

デパ地下へ

そんなわけで、東急デパートの地下食品売り場へとやってきた。休日 の午後ということもあり、ものすごい人出である。


鮮魚売り場にも人だかり

デパ地下には、同じ鮮魚店だけでも複数の業者が入っており、それぞれの店が「マグロ安いよー!」だの「エビ持ってって!」だの、客の呼び込みが激しい。

そんな中、シャケのみに意識を集中しながら歩く。しかし、なかなか目当ての「高級シャケ」が見つからない。

「一切れ2千円のシャケのウワサは、バブル期のものだったのかなぁ。不景気だしなぁ。考えてみれば、シャケひと切れに2千円も払う家庭ってどんなんだ。4人家族なら8千円だよ。お大臣か」

そう思って諦めかけていた矢先、目の前にちょっと毛色の変わった店が見えた。


その名も「サーモンファクトリー」。訳すと「鮭工場」

…なんとすばらしい店があったものだろう。さすがは年間消費量第3位の魚だけある。

まぁ、マグロは私が心配しなくても専門店などいくらでもあるだろうが、イカにこの芸当が出来るか? イカにデパ地下が似合うか?

勝手にイカを敵対視し、鼻息を荒くしながら、おずおずと陳列された商品に近づいていった。


 

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