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特集


土曜ワイド工場
 
ちくわの商品価値を高める

●こだわりの有機無農薬米

話はちょっと変わるが、
かみさんの親父さんのところでは、農薬を使わず鴨を田んぼに放って虫を取らせる「合鴨農法」というので米を作っている。


合鴨農法

「農薬を使わない」とひとことで言っても、ただ「無農薬」と書かれたシールをペタンと貼ればできあがり、というわけにはいかない。本当に無農薬で作るのはなかなか大変な仕事だ。が、出来上がった米は一見、普通の米と変わりがない。それこそ普通のビニールの米袋に入れてお店に並べたらまったく区別がつかなくなってしまう。だから、どうにかしてパッケージでこだわりを表現しなければならない。

そこでかみさんの親父さんは、こういう袋に入れている。


こだわりの有機無農薬・合鴨米

紙の袋に入れて、そこにいかにこだわって作っているかを直筆で書いているのだ。5kgで4500円。値段はかなり高い方だと思うが、それでも中身をよく知ってる人は納得して買ってくれる。



●手作り感で行く

これだ。この手作り感だ。
きらびやかな高級感はなくとも、心を込めてひとつひとつ手をかけて作ったものには、大量生産の物にはない価値がある。希少価値。

この方向性でやってみよう。ちくわで。


天然素材の「竹」を使用しました

ということで、私が目をつけたのは、前回素麺流しの時に使用した竹。本当は青竹でやりたかったが、だいぶ時間が経っているため色が変わってしまった。やや残念だが、まあしょうがない。

で、こんな風にしてみました。↓


竹の筒に、和紙でフタがしてある

中はこんな感じ

中からは紙が

生産者直筆のメッセージ

中には、生産者直筆のメッセージが書かれた紙が入っている。生産者の思いが消費者に直接届く瞬間だ。

一本一本、ラップで丁寧に包まれたちくわ

メッセージのいい加減っぷりはともかくとして、
全体の感じとしては個人的にはなかなかだと思うのだが、どうだろうか?



●評価

最後に、実際に誰かに渡してみて、どんな反応が得られるか確認してみたい。

風呂上りのかみさんをつかまえて、おもむろにこの竹の筒を渡し感想を聞いてみた。


さて、どんな評価が下るか…

ど、どうした?

和紙に書かれたメッセージを読むなり、ずっとうつむいたまま震えている。泣いてるのかと思ったら、ひたすら笑っていた。

好印象。

予想以上の好印象だった。
手作り感を出したことにより、少し商品価値が高まったかもしれない。


というわけで、ちくわを題材に、パッケージングによる商品価値の向上を検討してみた。最後のやつは自分でもわりと良いんじゃないかと思った。今度、抜き打ちで誰か別の人にも渡してみよう。

実際に商品として出す場合は、パッケージだけ凝っていても、やはり中身が伴ってなかったら意味を成さない。結局、一番重要なのは中身だが、しかしいくら中身が良くてもパッケージを含む商品環境も伴わないと、世の中的にはなかなか認められない。難しいところだ。

ちょっとは高く売れそうになっただろうか?


 

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