デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


土曜ワイド工場
 
ちくわの商品価値を高める

商品の価格とは、材料代や手間賃がいくらかかったかだけで決まるものではない。いろいろな要素が噛み合わさって、最終的に消費者がそこにどれくらい価値を見出せるかによって決まる。

そこで、今回はちくわを題材にパッケージをアレンジすることで商品価値を高めることができないか検討してみることにした。

え〜っと、なにやら硬い感じの書き出しですが、それとは裏腹の馬鹿馬鹿しい展開となっております。

(Text by T・斎藤

新しいちくわの在り方を考える


水産加工品の悩み

水産加工品は製造原価が高いのが悩みどころ、という話を聞いたことがある。

例えば麺類なら原材料は小麦などの粉。に対して、水産加工品の原材料は基本的に魚。製造工程を見ても、魚の骨を取ったりなど、いろいろ手間がかかる(骨は取らないのもあるけど)。同じ価格帯で勝負するなら、原価が高い分、不利なのは明らかだ。


水産加工品の代表例・ちくわ

“商品”としての価値を上げる

製造コストを下げることは難しい。
ならば売価を上げることで利益率を高める。
そういう工夫ができないだろうか?

価格=商品価値は、中身だけで決まるものではない。
パッケージなどのデザイン、店舗・店員の雰囲気、宣伝によるイメージなど、周りの環境によって作られる部分も大きい。

シャネルの香水だって、あれがもし割烹着を着たおばちゃんが店の奥から一斗缶を出してきて「ほらっ」と注いだとしたら、今のような商品価値はありえない。オシャレな小瓶に詰められていて、オシャレな店内でオシャレな店員がショーウィンドウの中から大事そうに出してくるからあの値段で納得がいく、と糸井重里氏もその著書で書かれていた。まったくその通りだと思う。

ちくわでチャレンジ

というわけで、水産加工品の代表例・ちくわをモチーフに、パッケージによってどれくらい商品価値を高めることができるか、チャレンジしてみたい。

パッケージングに関して、私はズブの素人な上、美的センスもあるとは言い難い。が、逆にそれを活かしてプロフェッショナルな人々がやらないような斬新なパッケージングを提案してみたいと思う。




●高級葡萄・ピオーネ

先日、ピオーネというちょっと高級品の葡萄を注文したら、箱に入った状態で家に届いた。
「おお!葡萄が箱に!これは高級っぽい。」
と喜びながら箱を開けてみると、さらに内部がさふさしたもので守られていた。


箱+ふさふさ

これには感動した。「痛まないよう細心の注意を払って保護してます」という高級感がビシビシ伝わってきた。ちなみに値段は一房1500円。葡萄としてはかなり高い方だが、この「丁寧に取り扱ってます感」が価格に説得力を与えている。損した気はしない。


ピオーネ。
(巨峰よりさらに大粒で、種がない)

さて、同じことをちくわでやってみたらどうなるか?


こんな感じで箱に入って届く

箱を開けると、中からフサフサで保護されたちくわが…!

………。

ダメダメじゃん。

葡萄のような繊細さが感じられない。丈夫そうなやつがフッサリしたものに包まれている。仮病を使って保健室で寝てる奴みたいだ。高級感どころではない。

極太

今回の企画に備えて、見栄えがする極太のやつなど何種類か買ってきた。


今回買ったちくわたち

極太のやつは土産物屋で買ったら、家に帰るまでの時間を聞かれて、アルミで巻いてくれた。


アルミで巻かれたちくわ

これはこれでメタリックな感じがちくわの新たなる可能性を感じさせてくれる。

これを先ほどの箱に入れてみると…。


こんな感じ

む…。

やばい。
なんか今回の企画、大失敗っぽい予感が。

ちゃんと記事になるだろうか?
一抹の不安を感じつつ、次に進みます。



 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.