「笑う門には福来たる」ということわざもあるように、幸せの源としてもとらえられている笑顔。
人間関係におけるコミュニケーションスキルとしても大切であるはずだ。感じのいい笑顔は自分以外の人をも幸せにすることができると思う。
いつでもいい笑顔でいたい。きっと素敵な何かが待ってるに違いない。
そういうわけで、朝からずっとなにがなんでも笑顔で過ごす1日をドキュメンタリータッチでお送りいたします。
(text by 小野 法師丸)
●素敵な笑顔で自分をむりやり演出
気持ちのいい笑顔で心穏やかに毎日を過ごしたい。そうすることで、自分以外の周りの人にも素敵な何かをふりまきたい。
この考えは正しいと思う。どこも間違ってないと思う。
みんなが幸せになれる魔法、それが笑顔。意識的にそれを継続してみるという今回の試みなのだが、ひとりよがりの笑顔になっていてはいけないと思う。素敵な笑顔ってどんなだろう。
図書館で借りてきたのは「美人練習帳」なる本(犬童文子 著/ぺんぎん書房 刊)。女性向きに書かれている本だが、男である私でも基本的な部分は共通して学べるだろう。
本によると、やはり笑顔にも練習が必要とのこと。具体的な練習法も書かれているので、実際にやってみよう。
練習しているときそのものは笑顔ではないが、こうした練習をすることで自然な笑顔をするために必要な筋肉が鍛えられたりほぐれたりするのだそうだ。そういうものかと思いつつ、とにかく練習。
…よし、しばらくやったし、これでいいだろう。目覚めたばかりの早朝、眠気を振り払って笑顔モードに自分を切り替える。
妻がシャッターを押すなり「気持ち悪いわ…」とつぶやいた。人が一生懸命にやっているのにその言葉はなんだと思ったのだが、こうして改めて確認してみると確かにその通りだ。この人おかしい。
まあ、やっているうちにだんだんこなれていくものでもあるだろう。今日はずっとこの笑顔を保ったままで過ごしてみよう。
●シーン1:笑顔でドライブ
さて今日は日曜、妻が通っているカルチャースクールのクラスがある日だ(手品教室)。会場が車で小一時間ほどかかるところなので、私が運転して送っていかなくてはならない。
その間もずっと笑顔だが、それは問題ないだろう。
うーん、笑顔でいること自体は問題ないのだが、早くもほっぺたのあたりが痛くなってきた。やはり普段あまり使わない筋肉を使っているのだろうか。
それよりもメンタルな意味でこたえたのが、妻の「そんな顔して運転されると怖いわ…」という一言。
またも人が一生懸命やっているのに、と思ったのだが、やっぱり怖さは否定できない。助手席側の窓から外を見ようと顔を向けても、「こっち見ないでよ…」という冷たい言葉。
早くもつらくなってきた。笑顔は自分も他人も幸せにするのではなかったか。いつもより無口な感じで過ぎていく時間。大丈夫だろうか。