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特集


ちしきの金曜日
 
自分の力で空を飛ぶ

機体のパーツをトラックに積んで運ぶ

飛ぶかどうか確かめに行く

前のページのようにして作った飛行機が本当に飛ぶかどうか、あるいは各パーツが設計どおりに機能しているかを確かめるためには、実際に短い距離を飛ばしてみるのが一番いい。

とはいえ、学校のグラウンドなどでは距離が短すぎるため、早稲田を含む人力飛行機製作チームは、一般の飛行場を借りてそういう試験飛行をしているらしい。

今回は静岡県にある富士川滑空場というところで試験をするとのこと。せっかくなので同行させて頂いた。

 

富士川は混みあっていた

東京の高田馬場を夜中の9時ごろに出発し、富士川滑空場に着いたのは午前2時ごろだった。

琵琶湖での「鳥人間コンテスト」が近いこともあり、この日の富士川では東京大学や名古屋大学のチームなど、早稲田を含む5チームが試験飛行を行うために集まっていた。

各チームで話し合いをし、約1kmの長さの滑走路を分割し、また時間で区切って使いあうことになった。

 

組み立てを始めたのは午前3時ごろ。まだまっくら。

さっそく機体を組み立てる

午前3時10分、まっくらな滑走路上で、機体の組立が始まった。サークルのOBなどの乗ってきた車のライトをつけっぱなしにして、機体を照らす。

こうやってまだ暗いうちに組み立てを始めるのは、朝の凪(無風状態)の間に試験飛行をしてしまいたいかららしい。

設計者の鈴木君とチーフの長島君のもと、着々と組み立てが進んでゆく。

4時23分、主翼の組み立てが完成。

すでに組みあがっている本体側を運びいれて、

本体に主翼を取り付ける。手前はチーフ長島君。

まだ磨き中のプロペラを取り付けたら、

いよいよパイロットが乗り込みます。

 

さあ、飛ばそう!

機体が組みあがってパイロット乗り込んだら、ぼくのような素人はあとはもう飛ばすだけだと思ってしまう。

けれどもその前に、まず機体の重心が設計どおりの位置にあるか(重心試験)、プロペラが設計どおり回転するか(回転試験)などの各種の試験が必要になるらしい。

今回もそれらの試験を行い、設計者の鈴木君からOKサインがでた。

ここからはいよいよ実際に飛ばす試験が始まることになる。

 

滑走路の端で機体を静止させているところ。ここから右に向かって進む。中央やや左の青い旗を見ると、風がほとんど吹いていないことが分かる。

機体を静止させたまま、パイロットは足元のペダルを漕いでプロペラを規定の回転数まで回転させる。準備ができたら、パイロットの「3、2、1、スタート」の掛け声で一気にスタート。

しばらくすると、ふわりと機体が浮く。短距離を繰り返し飛ぶことが目的なので、これ以上高度を上げることはない。

着地時に機体を支えることができるよう、機体とともに走る面々。飛行機の設計速度によっては、走る速さでは追いつかず、バイクで併走することもあるらしい。


そして無事着地。着地の失敗はそのままパイロットの怪我や機体の損傷につながる。緊張の一瞬だ。

上空では本物の鳥が優雅に飛んでいた。


部品の故障で試験はいったん中止

こうして試験飛行を繰り返しながら、飛行速度や翼のたわみ具合、舵の効きなど、各項目の性能を検証してゆく。

3回ほど試験を行ったところで、急にプロペラが回らなくなってしまった。ペダルの回転をプロペラに伝える途中の部品が故障したらしい。残念ながらこの日の試験はいったん中止し、壊れた部品をもって再び東京へ。大学構内の機械で部品を作り直し、その日のうちにまた静岡まで戻ってくるという。

大変なことです。


壊れたのは、真ん中の黄色いテープが張ってある四角い箱(ギアボックス)。ペダルの縦回転を、上へ伸びる軸の周りの回転に変換する仕組みになっている。

東京へ向かう新幹線の中で、問題の部品を検証する鈴木君(左:設計者)と長島君(右:チーフ)。

大学内の製作室。通称「工場」。でかい。

琵琶湖での「鳥人間コンテスト」まであと一週間。それぞれのパートでの調整が続く。




 

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