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特集


ひらめきの月曜日
 
伸ばして潰して薄くする

むぎゅー
ああ、大事な中身が出てしまった

肉まん

肉まんだ。何はなくとも、肉まんだ。コンビニで肉まんを売る時期が以前より早くなったように思うが、大歓迎である。できれば年中売ってほしい。

それほどまでに好きな肉まんを伸ばそうというのだ。ちょっと勇気が要る。

だが、先ほどのあんパンがウマかったことを思い出し、覚悟を決めて麺棒を肉まんにグイと押し込む。

「さっきのあんパンは、もはやパンではなくなった。さて、キミは一体、何になるのかな。まん、と呼ばれる物じゃないことは確かだけど、楽しみだね」

そんなことを思いながら、なるべく中身がハミ出ないように注意を払い、なんとか伸ばし終えた。


とにかくデカい。そして薄い

あっというまに3分の2ほど食べてしまった

中から肉汁が出てベタベタすることもなく、手があまり汚れない。ラップからも簡単に剥がれたので、そのまま囓りついた。

…あっ、この味、この感覚は、覚えがある。最近、祭りの屋台などで売られている「シャオピン(焼餅)」だ。あれに似ている。

肝心の味だが、当然のようにウマイ。そして、もしや肉汁は皮の部分に吸収されてしまったんじゃないだろうか、と思った。

 

どんどん行こう

次はコロッケだ。普通のポテトコロッケ。ポテトは衣と一体化して、どんな次元のウマさに転化してくれるだろうか。

もはや「マズくなるはずがない」という確信にも似た気持ちと共に、コロッケを伸ばす。


バリッという音が
…今までとは明らかに違うパターン
ラップからも剥がれず

…すみません、調子に乗りました。

これは単に「油がしつこいマッシュポテト」だ。平たくする意味がない。

肝心の味は、どこかフライドポテトっぽいが、特にウマイという訳でもなく、これはもう、どこからどう見ても失敗だ。

外側が伸縮しない物の場合、伸ばしていいことなどなさそうである。

 

基本に返る

伸ばすことで外側と内側を融合させるのは、もういい。気が済んだ。次は普通に肉を伸ばそうと思う。基本中の基本だ。

と、再び麺棒を手に豚ヒレ肉を伸ばしにかかったのだが、これが全く伸びない。つるつると滑るばかりで、ちっとも薄くならないのだ。


結局、バンバン叩きまくることに
なんとか薄くなりました
左:叩き前 右:叩き後
ほぼ倍の大きさになってます

 

さっそく伸ばした方から食べる。…叩いて伸ばしたことで柔らかくなっていると思ったが、期待したほどでもない。まだ硬い。叩く前の肉よりは多少柔らかいが、あのときの肉に比べれば、まったくもって、比べものにならない。

伸ばして良かったことといえば、肉が大きくなったように感じることくらいだろう。


さて、どうしよう

いきなり行き詰まった。次は何を伸ばそうか。

明らかに失敗すると分かっている物や、結果が予想できる物は作りたくない。ご飯を潰せば煎餅っぽい物が出来るだろうし、野菜や果物はベチャーと潰れておしまいだ。

うーむ。ならば、最初から薄いものを、さらに薄くするという試みはどうだろう。違う地平が望めるかもしれない。

というわけで、次ページからはちょっと趣向が変わります。


 

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