桟橋にたたずむ私のところに、スーッと白い水鳥が泳いできた。エサをもらえるとでも思っているのだろうか、警戒することなくかなり接近して首を伸ばしてくる。
おかしい。こんなの沼じゃない。
いや、私ひとりがどうこう言ったところで沼であることは揺るぎがない。ただ、なんというか、自分が求めていた沼ではないと言えばいいだろうか。
自分が思う沼とはこんなではなかったはずだ。メジャーな沼にはメジャーなよさがある。ただ、湖への対抗心を燃やすばかりに、今回の沼めぐりにとって大切なことを忘れてしまってはいなかっただろうか。
沼の本分とは何か。原点回帰を目指し、沼をめぐる旅は続く。 |