沼の仲間であり敵でもある存在、それが湖。そんなものに仲間も敵もないだろうという声が聞こえてきそうだが、沼を見続けていると湖には愛憎入り混じる気持ちが湧いてくるものだ。
敵を知ることが己を知ることにもなる。湖とはどんなだったか。
そういう売り方で攻めてくる湖
周辺にある看板も沼とは違った売り方で湖を押してくる。「沼にはできないだろう」というところを突いて攻め立てられているような気さえしてくるのは、沼に入れ込み過ぎだからだろうか。
このセクトでも負けたくない。次は沼のエースとも呼ぶべき沼を訪れてみよう。
●別の顔を見せはじめる沼
規模を求めて沼を探したとき、関東エリアで外せないのはやはり千葉県北部にある印旛沼だろう。
桟橋にたたずむ私のところに、スーッと白い水鳥が泳いできた。エサをもらえるとでも思っているのだろうか、警戒することなくかなり接近して首を伸ばしてくる。
おかしい。こんなの沼じゃない。
いや、私ひとりがどうこう言ったところで沼であることは揺るぎがない。ただ、なんというか、自分が求めていた沼ではないと言えばいいだろうか。
自分が思う沼とはこんなではなかったはずだ。メジャーな沼にはメジャーなよさがある。ただ、湖への対抗心を燃やすばかりに、今回の沼めぐりにとって大切なことを忘れてしまってはいなかっただろうか。
沼の本分とは何か。原点回帰を目指し、沼をめぐる旅は続く。