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特集


ちしきの金曜日
 
「立体駐車場」を鑑賞する

■P問題


「P」の表記も色々。浮かれたPから堅実なPまで。


立体駐車場鑑賞の最大の鑑賞ポイントの一つといえるのが「P」表記である。いわずもがな「Parking」の「P」なわけだが、なぜたいていブルーなのかなど謎は多い。

一言で「P」とは言っても、そのフォントとたたずまいは多彩である。ただ、やはりあまり浮かれた「P」はいただけない。十分な存在感を示しつつもそっけなく、「ゴチック体」としか言えないような書体で書かれるのが好ましい。

一番左などはひとり立ち度においては群を抜いているが、「P」の文字に不具合発生。なぜそこでへんに浮かれた書体を使ってしまったのか。画竜点睛を欠く。フォトショップで直してやりたいぐらいだ。

真ん中の物件のPもなんとも不体裁である。スクラッチしたら「P」が出ました、みたいな意匠に何の意味があるのか。自分のやっていることの意味のなさを棚に上げて苦言を呈したい。

右の物件は「P」表記のお手本、すべての立体駐車場の規範となるべきPである。墨痕鮮やか。まさにマスターピース。

 

■色


ときにはこんなカラーリングのものも。


立体駐車場経営を始めようか、という方にとって設計時にカラーリングは大きな関心事のひとつだろう。なかには意気込んだ挙句のあらぬK点越え、という物件がある。左および真ん中の物件はその代表例。ラグジュアリーを目指した挙句がそれかよ、という「日本アカデミー賞」的な雰囲気が漂う。言いすぎな上によくわからない表現で申し訳ない。

たいていはさえないグレーやなんともいえない微妙なクリーム色だったりする立体駐車場。そういう中庸を目指す中に本物の美があるものだ。右の物件などはいかにもぱっとしない鳴かず飛ばずなクリーム色が好ましい。すすけ具合、目もあやな「P」。スリム度さえ上がれば完璧な立体駐車場と言えるだろう。

なんだ「完璧な立体駐車場」って。自分で言ってて意味がわからない。

 

■模様


ちょっとした模様を入れた物件。余計なことを


「なんだか殺風景だな」と思ったのかどうなのか、ときどき外壁にちょっとしたパターンを施した物件がある。左と真ん中は抑制の利いたストライプパターンだが、右のものはどうだ。なぜそのパターン、なぜそのミントグリーン。

手前の墓地とのコントラストがえもいわれぬ異空間を演出。これが日本の郊外。



 

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