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特集


フェティッシュの火曜日
 
砂・ボウリング

4日〜2日前:FRPで型をとる

樹脂来ました、樹脂。思えば遠くへ来たもんだ。美大行きたいとか悩んでた17歳のときの自分に教えてやりたい。「ぜひ行け」あるいは「行かなくても似たようなことになる」と。

FRP樹脂を塗る前に、離型剤というものを塗らないと型から外れないので、また地道な塗り作業だ。



「揮発性」なので使用後は「直ちに」閉めろと脅される(注意書きに)。


FRP用のポリエチレン樹脂に硬化剤を垂らして撹拌。ちょっとでも分量を間違うと固まらないと脅される(お店の人に)。



ガラス繊維なんちゅうものをちぎって何度も塗り込むのだ。


その理由は忘れた。


いや、ガラス繊維はたぶん強化のためだったような気がする。実際、足で踏んでもつぶれないほど丈夫になってくれた。

おかげで、切り離すのがものすごく大変だ。



カッターでやっていたが歯が立たず大汗をかく。午前2時。


のこぎり持ち出す。午前3時。


あー・・・。


結局離型剤が効かず。あーあ・・・。


「パカッ」と外すはずが、全然剥がれないので、惜しいが型をザクザク掘って取っていく。最初は「ゴーヤの種取り」に似てると思ったが、だんだん「伊勢えびの身」に思えてきた。もしそうなら片方で腹いっぱいだ。



部屋が大変なことになる。


特に作業場などないので、全ての工程を居住空間で行わなくてはならない。パソコン机の上で。冷蔵庫の前で。そしてFRPの臭気はしぶとく、換気扇を回し続けていても、毎日外から帰ってくるたびに部屋に匂いを感じる。

ラリってしんじゃったらどうしようと一瞬想像する。この状態でしんでるなんて、笑っていいのか悲しんでいいのかわかりゃしない。「彼女はボウリングのピンを・・・」「そして志半ばで・・・」「かわいそうにブハハ」ってなもんだ。



「耳」を作る。ガラス繊維を下に敷いて塗り込む。


麦藁帽子みたいになった。ウフッ!・・・。



ウルトラマンじゃないよ。


耳の周りの余分な繊維を切り取って、型が完成した。これに砂を詰めてピタッと合わせれば、・・・「砂ボウリング」ができる、はずである。

単体テストをしないまま、本番環境へ移行します。もちろん砂浜での結合テストです。


 

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